良くできているニューヨークマラソン
国内マラソン大会のコースビデオに続いて、一度は走ってみたい国外のマラソンコースビデオです。とりあえずワールドマラソンメジャーズにリストされている、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークマラソンのコースビデオをご紹介します。都市マラソンの面白さは、名所巡りと観光ツアーではまず足を踏み入れないエリアも訪れるところにあると思います。コースの予備知識を仕入れるだけでなく、参加の予定がなくても少しだけ走った気にさせてくれます。
それから国外のマラソン大会で印象的なのは、電信柱がなくて空が広いこと、あるいはこんもりした並木が続いていたり、かなり長い距離を公園内や公園に沿っていること。こんな環境で走れる現地のランナーが羨ましくなります。
これまで紹介した国内マラソン大会も含めた数あるコースビデオの中で、グランプリはニューヨークマラソンのコースビデオ。国内大会のコースビデオにも健闘している作品もありますが市民マラソン大会の老舗は、コースビデオ制作でも一歩進んでいるようです。コースビデオを作成する際はぜひ参考にされるとよいと思います。
■ボストンマラソン(Boston marathon)
ボストンマラソンコースビデオ
次回開催 2012年4月16日
Cool Running :: Boston Marathon Course video
http://www.youtube.com/watch?v=QKzYA39PSRY
篤志家の制作で終始無言でコースをガイドしてくれます。
スタート会場の広場は一面の雪景色。大会そのものが春まだきの木々の新芽がほんのり色づくころですが、このビデオはまだ道端に雪がたっぷりで、寒々している気配はまさにニューイングランド地方そのもの(「こんなに雪が降るのか」という質問に、「4月は暑かったりブリザードになったりする」との答えが載っています)。そのコースを車は快調に走り続けます。雑木林を縫う田舎道で、人家の少ないところは歩道もない片道一車線ですから、日本のローカルコースにもよくある風景です。
ボストンマラソンコースは名物の心臓破りの坂があるとはいうものの、全体的には片道の下りコースです。その感じはビデオからも見て取れます。またほとんど右左折がない道なり一本道ということもよく分かります。
マサチューセッツ通りを潜ることになった新コースもがいよいよコモン前のフィニッシュラインを迎えるかというその時に、突然の電池切れ。コース紹介ビデオはついにフィニッシュラインを越えることができません。その第一の原因は、冒頭の長すぎる雪景色の撮影にあるのではないかと思われますが・・・。何にせよ、ペース配分が大事だよという教訓に富んだビデオです。
■ロンドンマラソン(Virgin London marathon)
ロンドンマラソンコースビデオ
次回開催 2012年4月22日
The Virgin London Marathon Route in 5 minutes
http://www.youtube.com/watch?v=jmvMx9FZuL8&feature=related
5分でロンドンマラソン完走! このスピードには目が着いていくのもたいへんです。おまけに天候は悪コンディション。露光を調整する間もなく突っ走ります。それでも時たま陽射しが出ると、街路樹の若芽が輝いて気持ちが良さそうではあるのですが最後には水滴がレンズの半分ほども覆ってしまいます。
先にスタートした車いすの部とマラソンの部の間にカメラ車はスタートしたようですが、時速500km相当で走っているにも関わらず、それを車いすの選手が追い抜いていくというホイールチェイスが味わえます。
選手のスタート直前の撮影ドライブらしく、両側には観客がびっしり。ロンドンっ子の興奮も伝わってきます。
タワーブリッジはよく分かったのですが、すぐ前を通る(曲がる)ビッグベンはいつ通過したのか分からずじまい。コースのフィニッシュはバッキンガム宮殿の前で曲がって間もなくですが、ビデオのしまいはそこまでたどり着いているのかどうか判然としないうちにフェードアウトしてしまいます。
見所多く観光ランには絶好のコースなので、ぜひ天気の良いときに最初から最後まで、もう少し時間のゆとりを持って、ついでにガイドのナレーションやテロップも付いた作品のアップを望みます。