和菓子/甘味処

「おしる古 いもり」こし餡に実力あり!(3ページ目)

東京・泉岳寺の甘味処「おしる古 いもり」。「きなこプリン」で知られますが、今回は、店主の宮崎さんが力を注ぐ餡に注目。ふっくらと炊けたささげのお赤飯も見逃せません。

原 亜樹子

執筆者:原 亜樹子

和菓子ガイド

「赤飯セット」 

赤飯セット

「赤飯セット」(800円)お赤飯はお土産にもできる。毎朝お店で炊き上げる

実は、私の一番のおすすめは、「赤飯セット」。国産のささげを使ったお赤飯にお吸い物、自家製のお漬物や塩昆布、さらにデザートに甘味まで付くお値打ちな内容です。1つ1つ丁寧に作られているところに価値があります。

ふっくらと炊き上がったお赤飯に、ささげ独特の香りと歯応え。ひと口食べる度、餅米と豆の優しい甘さがじんわり広がります。

皮の割れやすい小豆が切腹を思わせるのに対し、皮が固く割れにくいささげは、縁起の良い豆として、お赤飯に使われてきました。ささげは皮が固く、小豆よりも煮るのに手間がかかる上、国産のものは希少で高価。「価格が上がり続けて」と宮崎さんは嘆きますが、ファンの1人として、作り続けてほしいと願います。

デザートの甘味は、基本的にミニあんみつですが、運が良ければ、少し特別な甘味に出会えることも。「赤飯セット」も、他のメニューと同様に終日注文できるので、ランチはもちろん、軽い夕食としてもおすすめです。

ちなみに、その他人気のメニューは、コーンフレークにアイスを重ね、生クリームと自家製の黒蜜をかけた「本日のパフェ」(700円)や、餡とソフトクリームの相性を楽しむ「クリーム白玉ぜんざい」(800円)など。

時々アルバイトの人に接客を頼む以外、ほぼ1人でお店を切り盛りしている宮崎さん。今回お店にお邪魔したのは開店前。お赤飯を炊き、白玉を仕込み。次々と軽やかにこなす姿に見惚れます。

今後、今は電話で受けているお取り寄せの注文をオンラインでできるようにしたり、お菓子作りを習いたいというお客さまのリクエストに応えられるよう、本格的な工房を構えたりしたい、と構想を練っているそう。「日々の現実でいっぱいで、実現はまだまだ先」と言いつつも、この行動力があれば、そう遠い夢ではないはず。

<店舗情報>
おしる古 いもり(ブログ)
所在地:東京都港区高輪2-16-39
TEL:03-3445-7052
営業時間:11:00~19:00
定休日:水曜日
アクセス:都営浅草線「泉岳寺」駅A2出口よりすぐ
地図:Yahoo!地図情報
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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