起業した後に待ち受けているのは厳しい世界。起業した全員が成功できるというような甘い世界ではありません。ただ、その中で成功を収める人がいるのも事実。では、その厳しい世界の中で成功する人はどんな人でしょうか。起業の成功、失敗を分けるのはどんなことでしょうか。今回は、ガイドが起業コンサルタント(R)として、多くの起業家の起業をサポートしてきた経験の中で見いだした、起業して成功する人に共通する特徴を公開していきます。
1 差別化、独自ノウハウ
他社との差別化、独自ノウハウが成功へのカギ
彼らの提供する商品・サービスが他社と差別化できている、何らかの独自ノウハウを持っているということです。他社と差別化したり、独自ノウハウをもっていたりすれば、以下のようなメリットがあります。
■他社との比較で営業上有利
インターネットを通して誰でも大量の情報を簡単に手に入れることができるのが今の社会。見込み客がある商品・サービスを手に入れたいと考えたとき、価格やクオリティなどを比較してじっくりと検討するのが当たり前の時代となりました。他社との比較で選ばれるには、他社の商品・サービスと明確に差別化できているかが重要なのです。提供しようとしている商品・サービスを、他社ではなくあなたから買う理由は何でしょうか。じっくりと検討してみましょう。
■価格競争に巻き込まれない
デフレ、供給過多の状況が構造的に何年も続いています。どの分野の商品・サービスであっても低価格相場に苦しみ、普通にやっていたのでは黒字にすることすら難しいというのも事実としてあります。ただ、独自ノウハウによって付加価値を付けて他社と差別化できていれば、こうした価格競争に巻き込まれずに済みます。価格競争に巻き込まれずに済めば、利益を確保し会社を存続させていくことが可能になるのです。
■頼まなくても買ってもらえる
見込客が求めていたような魅力的な商品・サービスであれば、こちらから営業して回らなくても買ってもらえるものです。人気店の行列を見ればわかりますよね。もとより、これだけ社会が成熟して、人々が新たに物やサービスを買う必要がない時代になると、見込み客がどんな商品・サービスを必要としているのか、よく研究しておく必要があります。魅力的なサービス・商品を提供できるかどうか、起業前にどこまでこの点をリサーチして準備しておくのかが勝敗に直結します 。
2 マーケティング、集客、営業の能力
彼らはプロモーション、売り方がうまいということです。いくら良い商品・サービスだとしても、プロモーション、売り方が間違っていれば売れません。特に起業時には早い段階で売上を上げることができなければ、会社を維持することさえままならない状況に陥ります。そのためにもこの能力は特に重要です。
起業する前に必ずマーケティングやプロモーション、集客についてよく勉強しておきましょう。実力があって、素晴らしい商品・サービスを提供していても、売り方をよく研究していないことが原因で失敗している例も見てきました。そうならないためにも、起業前に必ず事業計画書を作成し、マーケティング、集客方法などについて、リサーチと戦略的な検討を繰り返しましょう。
そして、起業時にもう一つ重要なのは、社長自身が営業マンとして能力を発揮できるかどうかです。起業時の社長は一人何役もこなさなければなりません。中でも重要な能力は、会社の顔として取引先などと交渉する能力。これは他の誰かに務まるものではありません。起業前から磨いておきたいですね。
3 お金の感覚、知識
彼らがお金に対する感覚、知識に秀でているということです。商売の基本として、「入るを量りて出づるを制す」という言葉があります。収入額を正しく予測して、ムダな出費を抑えるべしという意味です。いくら調子が良くて爆発的に売上が上がったとしても、売上に見合わない出費が出て行く体制が続いていれば、ちょっと不景気になったり、何か問題が起こったときに、持ちこたえられなくなります。そうならないように、彼らのようにしっかりと数字を把握した上で、合理的で手堅い経営判断をしたいものです。ただ、何でもかんでも出費を抑えてケチケチにしていればうまくいくというものではありません。お金を出すべきときは出すのが商売で成功する秘訣だと感じます。費用対効果を考え、限られた予算を効果的に配分したいものです。起業して1年間は資金繰りの余裕がないもの。できる限りムダを抑えること、効果的に配分することを心がけましょう。