セクシュアルマイノリティ・同性愛/映画・ブックレビュー

名作ゲイ映画『あしたのパスタはアルデンテ』(5ページ目)

「2011年NO.1ゲイ映画」と言いたくなるような名作ゲイ映画がイタリアから届きました。ゲラゲラ笑って、思い切り泣いて、イタリア映画ならではの美しいシーンに酔いしれてください。

後藤 純一

執筆者:後藤 純一

同性愛ガイド

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じゅんとあさこの「お気に召すまま」

 

第57回  祭りは祈り

土曜日の昼下がり、近所のフレンドリー(訳知り)なイタリアンレストランでダンナとランチを食べていると、外で子ども神輿が始まりました。男の子も女の子も祭り装束を着て元気にはしゃいでいて、ダンナはまるでお父さんのような(僕はお母さんのような)顔でその様子を見守っていました。そこに居合わせた近所のバーのマスター(ゲイ)は昼間からワインを飲みながら「二人の感じがいいね。うらやましいな」と言って、ダンナは照れていました。

翌日、阿佐ヶ谷では年に一度の神社のお祭りが催され、ダンナは今年も、朝早く起きて友達や地域のみなさんといっしょに神輿を担いでました(ちなみに僕は前夜アゲハの取材だったので、夕方近くなって合流しました。電話も通じず、ダンナが担ぐ神輿がどこを回ってるのかわからなかったのに、いつも行くゲイ居酒屋に行ってみたらみんなそこにいたという奇蹟)。「じゅんちゃんも担ぎなよ」とみんなに言われたのですが、三島剛の男絵から出てきたような日本男児的風貌(祭り装束が似合う似合う)のダンナと違い、箸より重い物を持ったことがない華奢な僕は、尻込みしまくり。

しかし、そもそも今年のお祭りは、震災後、一旦は自粛と決まったにも関わらず、地元の人たちの熱い要望に動かされ、急遽開催が決まったものでした。こういうお祭りって五穀豊穣や無病息災を祈願して行われる神事なわけですから、震災のあった年こそ盛大にやるべきですよね。そういう特別な年の祭りですから、やっぱり担ぎ手の人たちからもそういう思いが伝わってきて…僕も「ちょっとだけなら」と言って、法被や足袋を借り、生まれて初めて御神輿を担がせていただきました。ダンナや友達がいっしょだから頑張れたけど、想像以上に重かったです(おかげで今も肩が痛いです…)。でも友達のねえちゃん(リアル女子)が「鉢洗い(打ち上げ)」
の時に「必死に担いでるじゅんちゃんを見て泣けた」と言ってくれて、ダンナが横で笑ってました。

お祭りとは「祈り」です。日曜には札幌でレインボーマーチが開催されました(その翌日には東京で6万人規模の脱原発集会が行われました)。ハデな「お祭り騒ぎ」にも見えるかもしれませんが、みんなが幸せに暮らせるようにという「祈り」であるという意味では、神社の御神輿だろうとパレードだろうと同じこと。そう思いませんか?
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