広々郊外より、都心・ミニマムに憧れ

ニューヨーク

窓から都心の風景を臨むコンパクトライフ

あくまで私自身の個人的な志向ですが、地方・郊外・広い家・車中心の生活・身近に溢れる自然環境というなかで育った私は、ニューヨークのソーホーとか、パリのアパルトマンなど、すぐ身近に大都会という環境でのミニマムな生活にずっと憧れていました。

 憧れのきっかけとなったシーンでいうと、古くは映画「ティファニーで朝食を」のオードリー・ヘップバーンが住むニューヨークソーホーのアパート。

等身大のワンベッドルームにリビングという1LDKに最小限の荷物、白でまとめたインテリアは部屋を広く感じさせ、ときにはすべてスペースをオープンにして50人はいるかと思われるかなりむちゃなパーティも…。田舎を飛び出し、心に闇を抱えながらも、ニューヨークのど真ん中にある早朝のティファニーで気分を癒し、日々を生きる、そんな都会に癒しを求めるシングル女性の気持ちにとても共感した記憶があります。

 

タイムズスクエア

まさにニューヨークの街が娯楽スペース、という生活

そして昨今のニューヨークのスタイリッシュなミニマムライフといえば、なんといってもドラマ「Sex And The City」の主人公であるキャリーのシングルライフ。同じくワンベッドルームのミニマムな居室には、こちらもニューヨーク生活を楽しめる要素がいっぱい。

バスルームにはウォークスルーのクロゼットは最先端ファッションの洋服や靴がたっぷりおけるスペースがあり、窓辺のデスクはニューヨークの景色で気分転換しながら執筆ができる執務スベース。恋人との時間を楽しむ大きなベットが部屋の主役。そして、なんといっても外にでればそこはすぐNYの中心地。まさに、NYを楽しむためのミニマムライフがそこにはあります。

さて、昨今は東京の住宅にもコンパクトなミニマム傾向がでてきているようです。
 

もはや広さに憧れない?都心マンションは面積縮小傾向に

家族

地震・節電と狭い空間に家族が集まって過ごすことも

2006年以降、都心ではコンパクトマンションの供給が増えています。そもそもは長引く不況で面積の広い高額物件は売れにくいという背景から、一戸当たりの平米数を小さくして価格を抑えて販売しているという売る側の背景もあります。
しかし、それ以外にも2つの新しい傾向が出始めているといわれています。

1つは、世帯の平均人数が2.6人とコンパクト化し、もはや大きな家が必要なくなってきていることです。2つめは、ライフスタイルとともに、志向の変化が顕著で、人生最大の買い物と言われる住宅購入においても、“今を大事にし、無駄な消費はしない”堅実志向が表れ始めていることです。

とくに節電が叫ばれる昨今は、家は必要以上に広くないほうが冷暖房の効率はいいですし、固定資産税や管理費・修繕費なども広くなればなるほど高額になります。掃除の範囲も限られるので時間の節約にもつながります。

また、震災以降は家族がひと部屋にまとまって過ごしたりするケースも増えているようで、家族のつながりという観点からも、ミニマムさがメリットにもなっているようです。マンションも専有面積はコンパクトに抑える一方、共用施設にトランクルームを用意し、増える荷物は部屋に置かなくても済むような工夫もなされています。都心では車もカーシェアリング等で利用できるマンションも増えており、駐車場や車を自分で確保しなくても利用できるサービスも進んでいます。

価値観が変化。安心・安全ライフスタイル重視に

豪邸

豪邸への憧れはもはや昔のこと!?

一方、震災以降も、持家志向は健在で、家や家族を重視する傾向はより強まっているといえます。

世代変化に伴い、価値観も変化していて、かつてのように「広い一戸建てを買うことがゴール」と考える人は減り、マンションへの永住志向が高まっていたり、その時々のライフスタイルに合ったムダのない生活ができる住まいを求め、購入後も必要があれば住み替えても良いと考える人が増えているといえます。

そのなかのひとつの選択肢としてのキーワードとして、都心・ミニマム傾向がでてきているといえるでしょう。
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