土地活用のノウハウ/空室対策・賃貸管理・老朽化

急増する家賃滞納、知って得する最新対応術!(2ページ目)

賃貸住宅には、眉をしかめるほどの残念な入居者がいますが、最悪なのは家賃滞納者でしょう。滞納督促は、その期間に応じた対応手順があります。2,3日、1,2週間、2,3ヶ月などの期間に応じた対応方法がありますが、油断をすると、半年ぐらいはすぐに過ぎてしまいます。その後は、明渡しと滞納家賃の請求を求める裁判手続きになります。このような不幸な事態を避けるために、滞納対策と空室対策に強い管理会社を選ぶことが重要です。

谷崎 憲一

執筆者:谷崎 憲一

土地活用ガイド

滞納期間ごとの対応手順

手続き書類の一例

手続きは、迅速に

滞納にも2,3日程度の「うっかり滞納」から、1,2週間、さらに2,3ヶ月、長期になると1年2年と、それぞれに求められる対処方法は異なります。集金するオーナーさんには、繊細な判断力と、気力、それに体力も求められます。

具体的な手順を説明しましょう。

家賃の入金は普通は月末で、今は銀行振込みがほとんどです。入金の期限を約定日といい、集金管理では約定日の翌日に記帳して、入金の有無を確認することが基本です。

約定日に入金がなかったときは、翌日にも記帳して確認します。2日連続で記帳しても入金が確認できないときは、3日目あるいは4日目に入居者に電話して、入金の確認を行います。この程度の遅れは意図的なものとは限らず、何かの行き違いかもしれないので、丁寧な口調で確認しましょう。

「うっかり忘れていた」ということなら、「入金をお願いします」と催促しますが、それだけではなく、「何日の何時までに入金いただけるでしょうか」と必ず期限を確認してください。

「いついつまでには入金します」という答をもらったら、とりあえずその日まで待って、また記帳して確認します。

電話で聞いた期限になってもまだ入金がなかったとしたら、これは警告信号です。また電話で確認を取ることになります。このときに「もうちょっと待ってください」と言われたとしても、「わかりました」で終わらせてはいけません。必ず「前回の約束を守れなかったのですから、今回は絶対に入金できる日を責任もって言ってください。次はありませんよ。」と厳守すべき期限を決定します。

「何日までは、必ず」と言われたら、さらにその日まで待つことになります。そのときには、既に10日から2週間は約定日を過ぎているはずです。それでもさらに入金がなかったとしたら、その後の電話は更にきびしい口調にならざるを得ません。そうしないとこちらの断固とした意思が伝わらないからです。

このときは、面談の申し入れの段階になってきます。日を決めて実際に顔を合わせ、支払約定書を用意して、「何月何日までに入金します」と書面の形で約束してもらいます。このときの期限は、おそらく約定日から3週間~1ヶ月後になっているはずです。併せて、直ちに確認書というかたちで約定書面をコピーした文章を送ることも考えましょう。

そして、その期限が来てもまだ支払いがないとなったら、今度は配達証明をつけて督促の文書を送ります。場合によっては、「何月何日までに入金していただけなければ、法的手段に訴えます」、「連帯保証人への法的手段もやむを得ず……」といった文言になります。

そして、配達証明後も誠意のある対応が見られない場合や、約定日から1ヶ月が過ぎたら、今度は内容証明で同様の督促状を送るとともに、自宅訪問や職場への連絡、更には連帯保証人への連絡若しくは訪問と体力戦・神経戦になってきます。

何もしないで待っていたら、あっという間に1ヶ月,2ヶ月が過ぎてしまいます。集金管理に無頓着なオーナーさんは、やがて長期滞納に苦しむことになります。私の経験では、優しい大家さん、上品な大家さんに限って長期滞納に苦しめられる事例が増えてきております。現代社会においてごくごく常識の「約束を守る」ことのできない人々が増加してきており、常識的な大家さんが泣き寝入りする構図が多発しているのです。
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