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メルミン青山で知るスペイン靴の魅力!(3ページ目)

スペイン発の実力派ブランドであるメルミン(MEERMIN)。我が国ではこれまで百貨店を中心に販売されていましたが、2011年の4月に待望の直営店を、東京の紳士靴のメッカである青山にオープンしました。このお店にある「気になる靴」、早速ご紹介いたします!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

 センスと技術を何気なく盛り込んだ逸品!

内羽根式オックスフォード

メルミンの持つ技術の粋を凝縮したオックスフォードシューズです。各ディテールのリズムが見事に整っているので、その割にはゴテゴテした印象に映らないのが流石! 7万2450円。色:クエロ(ライトブラウン系)。サイズ:お問い合わせください( メルミン青山 TEL03-6418-4891)

次にご紹介するのは、このブランドのセンスの良さと卓越した技術の双方を堪能できる内羽根式のオックスフォードシューズです。プレーントウか果てまたいずれかのブローグ系なのか? 一見よい意味で定義し切れない独特なデザインは、一度見たら忘れられない存在感に溢れます。とは言えこの種の靴にありがちな「くどさ」を覚えないのは、メダリオンやブローギングの大きさや形状に、首尾一貫したリズムが備わっているからでしょう。前者には何気なくステッチが施されているのですが、こんな一工夫だけでもつま先周りが凛々しく見えますよね。

またメインの底付けには、オフィスウェアのカジュアル化の進展も相まって2011年の秋冬で久々に注目が集まりそうな、チェーンステッチ仕様のノルベジェーゼ製法を採用しています。ただしそれは前半分のみで、実は注目すべきは後半分のそれ! マッケイ製法をベースに土踏まず部を木釘(ウッドネイル)で補強する、非常に古典的な技法を用いているのです。底付けに関してもこれだけテクニックがてんこ盛りなのに、何度も言いますがゴテゴテ野蛮には見えないのが、「あの国の靴」とは矢張り違うんだよなぁ……
多岐に渡る底付け

上の靴のソール部です。土踏まず部が木釘で補強されているのが一目瞭然。製法は前半分が今季久々に注目されるノルベジェーゼ、後半分がマッケイです。アッパーのアンティークフィニッシュは、このブランドの主宰者であるホセ氏自らが行っています

これらもひとえに、リーダーであるホセ氏の卓得した製作力・編集力のお陰なのでしょう。アッパーに用いるフランス・アノネイ社製のナチュールカーフも、デザインを考慮しスペイン語で「クエロ(Cuero)」と呼ばれる革本来の色合いに近いライトブラウン系に限定し、しかも仕上げは一足一足彼自身が行うそうで、そんな徹底ぶりにもこの靴の美しさに対する並々ならぬ思いが感じられます。手の込んだ靴であるが故に入荷数やそのタイミングも限られてしまいますが、これまで「ノルベジェーゼ系の靴はどうもなぁ……」と敬遠されていた方でも、これなら無理なく自然に履けると思うので、待ち甲斐も十分ある筈です!

【商品情報】
■MEERMIN オックスフォードシューズ
・色: クエロ(ライトブラウン系。アノネイ・ナチュールカーフ
・底材: レザー(ヒドゥンチャネル仕上げ)
・製法: 前半分ノルベジェーゼ 後半分マッケイ(土踏まず部は木釘補強)
・サイズ: お問い合わせください
・価格: 7万2450円

最後のページは、こんな靴もありますよ!

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