DJ1と「あん」
DJ1に合う和菓子についてご相談をした和菓子店の方から「小豆あんより白あんの方が合わせやすいかも」というアドバイスを頂き、ピンときたのは、昨年「お取り寄せの和菓子特集(夏)」でご紹介した京都・中村軒の白餡のきんつば「白きんつば」。白小豆だけを使った贅沢なきんつばは、手亡豆や大福豆を使った白あんと違い、香りに癖がなくまろやか。繊細なDJ1の香りを引き立てこそすれ、損ねることはありません。
もちろん小豆あんを使ったお菓子の中にも、紅茶としっくりくるものがあります。例えば両口屋是清の「旅まくら」。旅枕という銘の備前焼の花生(花入)に由来する茶通風のお菓子で、こし餡を薄皮で包んだゴマ風味のもの。
しみじみ噛み締め、皮と餡の旨味を楽しみたくなる侘びた味わいは、紅茶の軽やかな渋みと合わせることで、モダンな輝きを見せてくれます。
以上が今回私がDJ1に合わせた和菓子です。難しいことを考えず、直感で合うと思ったものを選んでももちろん良いのですが、紅茶の持ち味をグンと引き出すような和菓子選びをするのは楽しいものです。
ところで、「和菓子は紅茶に合う」と一概に言えないのは、紅茶は産地や時期により、香りや味が大きく変わるうえ、和菓子にも様々な種類があるため。
例えば私は、「どら焼き」といっても、焼き立てが美味しいタイプのものにはパンケーキに合わせる感覚でインドの「アッサム」や東アフリカの「ケニヤ」で淹れた濃厚なミルクティーを、日持ちのするタイプのものには、爽やかさを添えるため、スリランカの「ヌワラエリア」のような紅茶をストレートで合わせるのが好きです。
色々な紅茶を飲み、様々な種類の和菓子を食べ、自分にぴったりな組み合わせを発見する頃にはきっと、紅茶と和菓子の世界にどっぷりはまり込んでいるはず。どちらも歴史があり、奥が深い分、はまり甲斐があるものです。
<店データ>
■ 「塩 野」
所在地:東京都港区赤坂2-13-2
電話番号:03-3582-1881
営業時間:9:00~19:00(平日)9:00~17:00(土曜・祝日)
定休日:日(但し節句、大晦日は営業)
東京メトロ千代田線 赤坂駅2番出口より徒歩約1分
銀座線、南北線 溜池山王駅より徒歩約5分ほか
地図:塩野地図
■「両口屋是清」
直営店のほか、主要百貨店(名古屋・東京・大阪・福岡他)に出店。
オンラインショップあり。
お問い合わせ番号;0120-052062(受付時間;8:30~17:00)