医療チームにコーチングを活用する
コーチングを医療チームのマネジメントに活かす
医療現場には、さまざまな組織があります。たとえば、職種別には、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、事務職など、多くの関係者が存在します。病院などでは、病棟、外来、手術室、各診療科などもそれぞれが組織です。それらの組織と関係者が関わって医療チームが動いていますので、目標を達成することを目指して円滑に運営するには、マネジメントが必要です。しかし、多くの医療従事者は医学的な知識や学ぶものの、医療チームのマネジメントや人材育成についての知識を得る機会がほとんどなく、従来の指示命令系のトップダウンのマネジメントしか方法を知らない、という声が多く聞かれます。
実際のところ、医療現場は人命を預かるところですから、トップダウンの指示が必要な場面はあります。一方で、そこに携わる人たち、ひとりひとりが持ちうる知識を使い、最大のパフォーマンスを上げることが求められています。ですから、チーム医療、特にそのトップにいる医師や医療チームを率いる立場にいる人は、コーチ型のマネジメントについての理解をもつことが必要です。
あなたのマネジメントは指示命令型か? コーチ型か?
先ほども紹介したように、一刻も迫るような状況においては、トップダウンの指示命令は必要です。時には、チームメンバーの能力を活かし成長させる上においては、コーチ型の関わり方をすることが有益です。以下は、あなたのマネジメントのアプローチが指示命令型かコーチ型か見るものです。日常の自分のスタッフとの関わり方を振り返り、該当するものにチェックをいれてみてください。
■指示命令型
□ 問題解決の結果を評価の対象としている
□ スタッフの行動をコントロールしている
□ スタッフがリスクを恐れて挑戦できない環境を作っている
□ スタッフの弱点に焦点を当てている
□ 失敗や過ちを指摘している
□ 自分のやり方を押し付けている
□ 問題はすべて自分で解決しようとしている
□ スタッフの話を表面的に聞いている
□ 許可・承認を与えるだけの上司である
■コーチ型
□ 問題を解決する過程から関わっている
□ スタッフが自発的に動けるようにサポートしている
□ スタッフが安心してリスクに挑める環境を作っている
□ スタッフの強みに焦点をあてている
□ 努力や主張を重視している
□ スタッフ一人ひとりのやり方、強みを認めている
□ スタッフが自分で問題解決ができるようにサポートしている
□ スタッフの話の真意を汲み取っている
□ スタッフに協力的である、問題解決に手を差し伸べている
チェックをつけてみて、どちらのほうに多くつきましたか?できれば、周りのスタッフにも協力を依頼して、あなたのマネジメントスタイルについてつけてもらうと、より正確な情報を得ることができるでしょう。もし、コーチ型のチェックが少ない場合は、コーチ型の関わり方を日々のマネジメントやコミュニケーションに取り入れるところから始めましょう。