宅地建物取引士から重要事項の説明を受ける

売買契約を締結する前に、購入する物件について宅地建物取引士から重要事項説明を受けます。権利関係のこと、法規制に関すること、設備に関すること、契約内容や契約解除に関することなど、説明の範囲は多岐にわたります。

物件に何らかの問題点や注意するべき点などがある場合も重要事項として説明されますから、内容をしっかりと理解することが大切です。また、契約時点で建築工事中の新築一戸建て住宅であれば、工事完了時の建物形状、設備などの詳細についても説明されます。

この「重要事項説明」は本来、取引物件について詳細な説明を受け、あなたが本当にその物件を買って良いのかどうかといった最終判断の機会を設けるためのものです。

ところが、従来は売買契約の当日に重要事項の説明を行ない、考える時間を与えないまま引き続いて契約締結をすることが常態化していました。しかし、近年はこれが改められつつあり、売買契約の数日前に重要事項説明を行なう不動産業者も増えているようです。

それでも基礎知識を身に付けていなければ、なかなか理解しづらい内容が多いことも事実でしょう。いきなり書類を見せられて説明を受けても、その場で何を質問すれば良いのか、説明された内容に問題はないのかなど、判断が難しい部分もあって当然です。

もし可能であれば、重要事項の説明を受ける数日前に関係書類を受け取り、書かれている内容によく目を通して、説明のときに確認をするべきこと、聞いておきたいことなどをあらかじめまとめておくようにしたいものです。

不動産業者に対してそのような要望を出せば応じてくれるところは多いでしょう。また、前述の住宅ローンの事前審査を受ける場合などであれば、日程的な余裕も十分にあるはずです。

なお、新築分譲マンションの場合の重要事項説明書は、あらかじめ用意されたもののなかで部屋番号や専有面積、間取りタイプなど該当部分だけを書き換えるスタイルのケースが大半ですが、新築一戸建て住宅の場合には不動産業者によってまちまちです。

とくに媒介業者が重要事項説明書を作成する場合には、説明自体に間違いはなくても、業者あるいは宅地建物取引士の力量やスタンスによって説明の内容量やその質が異なることもあるので注意しなければなりません。

重要事項の説明をひととおり受けた後には、「説明を受けました」という署名押印を求められます。ここにサインをすれば、もし説明のときに見落としたことや気付かなかったことがあったとしても「すべて説明を受けた」ものとして扱われていまいます。

重要事項説明書のなかに書いてある事柄について、後から「説明を受けていない」と抗議をしてもなかなか通用しませんから、分からないことについては自分が納得できるまで十分に聞くことが大切です。分かるまで何度聞いても構いません。


売買契約を締結する

重要事項説明が終われば次は売買契約の締結ですが、これが一連の流れや手続きのなかで最大の山場になります。売買契約を締結する前であれば、契約を断っても何ら違約などは発生しませんが、売買契約を締結すれば原則として後戻りすることはできません。

白紙解除に関する特約などが適用される場面以外で、自らの意思によって契約をやめようとすれば、支払った手付金の没収や違約金の支払いなどが待ち構えています。

この初めの売買契約を「仮契約をして手付金を支払った “だけ” 」と解釈している人が意外と多いようですが、そのような誤解は大きな契約トラブルにつながりかねません。

特別な事情がないかぎり「仮契約」などというものは存在せず、あえていうのであれば、この初めの売買契約が「本契約」そのものです。

売買契約の際は通常、関係者立ち会いのもとで契約書の読み合わせが行なわれ、内容に問題がなければ売主、買主双方が署名(記名)押印をします。その場の話し合いによって急遽、特約が書き加えられるケースもあるでしょう。

また、売買契約が成立したことの証(あかし)として、買主から売主へ手付金を支払います。

新築分譲マンションの場合には指定口座への事前振込みを指示されることも多いようですが、新築一戸建て住宅の場合には売買契約締結の場で手付金を支払うケースが大半です。ただし、大型分譲地などで同時に契約をする戸数が多いような場合には、そのかぎりではありません。

なお、手付金の額が売買金額の5%(未完成物件の場合)または10%(完成済み物件の場合)、もしくは1,000万円を超える場合には、宅地建物取引業法に基づく「手付金等の保全措置」を講じることになっています。

保全が必要な場合における手付金の支払いは、銀行などが発行した「保証証書」または保険事業者が発行した「保険証券」などと引き換えになりますのでよく確認をしてください。


住宅ローンの申し込みをする

売買契約の締結が終われば、通常はすぐに金融機関に対して住宅ローンの申し込みをします。事前審査によって内定を受けている場合でも、この申し込みによって正式な審査が行なわれ、しばらく経ってから否認されることもあるので安心はできません。

たいていの場合は売買契約書に、住宅ローンが借りられなかったときに売買契約を白紙解除できるといった内容の「融資利用の特約」が盛り込まれているはずですが、これには適用期限が設けられているので注意が必要です。

金融機関への申し込みが買主の都合でだらだらと遅れ、期限内に金融機関からの回答が得られなかった場合には、住宅ローンを借りられなくても白紙解除ができず、手付金を没収されたり違約金の支払いを求められたりすることもあり得ます。

不動産業者側で、売買契約当日に金融機関への申し込み手続きをセッティングしているケースも多いでしょうが、そうでないときには売買契約締結後、遅くとも2~3日中には申し込みができるように段取りをするようにしましょう。


建築条件付き土地売買の場合は……

建築条件付き土地売買の場合には、売買契約の対象が土地だけです。

その土地に建築する建物については、土地の売買契約を締結してから設計などの打ち合わせを行ない、土地売買契約書の中で指定された期間(3か月程度)のうちに建築業者との間で「建築工事請負契約」を別途、締結することになります。

この指定期間内に「建築工事請負契約」が成立しなかった場合には、土地の売買契約も締結時に遡って白紙解除されるか、もしくは初めから契約自体がなかったものとみなされます。

建築条件付き土地売買では、どのような住宅を建てるのかについて、土地の買主と建築業者の間で十分な打ち合わせをすることが原則です。

ところが実際には、土地の売買契約と同日、あるいはほとんど打ち合わせのないまま数日後に請負契約が行なわれる例も見受けられます。脱法行為が疑われる事例もありますから十分に注意しなければなりません。


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