今回は栄養士の観点から、防災対策を行うときに知っておきたい食事・栄養対策についてお話します。災害発生後はすみやかに食料・飲料水の支給が開始されるケースが多いようですが、3日分の食料・飲料水は確保しておいたほうがよいというのが一般論のようです。

ただ、孤立などの理由ですぐに援助を受けれない場合もあります。特に災害の可能性が高い地域に住んでいる場合は、少し多めの量を日ごろから確保しておいたほうがよいかもしれません。

水と食事なしで生命維持ができる期間

水は命綱

食糧は二の次……水が命綱になります

人間は食事をしなくてもしばらく生命を維持することができます。一般的な状況下では2~3週間以上は生命を維持できます。それより長い期間、生き延びることができた記録も多くあります。

そう考えると、問題は何と言っても飲料水の確保でしょう。平均的な状況下では水なしでも2~3日は生命を維持できるようですが、3~5日になると生存率が下がってくるようです。それ以上のサバイバルは稀なケースになってしまいます。

1日に必要な水分量は2.5~3リットル

どれくらいの水が生命維持に必要かというのは多くの人が持つ疑問でしょう。生命維持についてはヒトによる実験ができるものではありませんが、1日1リットルの水で、1日多く生き延びるという意見もあるようです。

生死をかけた必要水分量とは別に、緊急時に必要とされる水分量は団体等から発表されています。世界保健機関(WHO)によると緊急時の必要最低水分量は2.5~3リットル。人種や気候などの要因も加味しなければなりませんが、一定の目安になるでしょう。

1日の水分量としては多いと感じる人もいるかもしれませんが、これは飲料だけではなく、食料に含まれている水分量も含んでいるいるためです。例えばおにぎりの重さの約60%、りんごの重さの約85%は水分。病院給食等の場合、1日の食事に含まれる水分量は1.2~1.5リットルくらいです。防災対策として常備しておく水は3日分以上というエキスパートの意見もあります。少なくとも1人当たり1日2リットルくらいの飲料水を確保したいところです。

次のページでは非常事態時の食料・栄養対策についてご紹介します。