自己編集で商品を一人歩きさせる
ノンアルコール・ビールテイスト飲料「キリン フリー」開発の責任者佐藤章さんとプロジェクトリーダーの梶原奈美子さん
プロジェクトリーダーとして、今後どうしていきたいか、最後に一言お伺いできれば。
梶原さん:
そうですね。最近「キリン フリー」がどんどん1人立ちしてるなっていう感じがすごく強いですね。この商品はもともと飲酒運転をなくしたいというところから始まって、今、色々なお客さまが色々な飲み方をして下さっているんですよね。自己編集っていうキーワードがまさにぴったりな商品だと思います。
ある方は家事の後のお疲れ様の1杯でコーヒーみたいに飲んでいたりだとか、病気の方は薬を飲んで(酒を)飲めない時に飲んでいたりだとか、残業前の1杯を気付けがわりに飲んでいますとか、その1つ1つの瞬間にいわゆるジュースなどでは味わえないベネフィットがあるんですよね。報酬感だったりとか、解放感だったりとか。そういう気分を提供できる体験型の商品だと思うので、もっと面白いものも提案していきたいと思っています。
お客さまに色々な経験をして頂けるような……ちょっとまだそれが何かっていうところはお話しできないんですけれども。そういったことを提案し、ビール会社にしかできないことはまだまだあると思うんですよね。やはりビール気分を楽しむというところが本質にあるわけで、その部分をどんどん形にして、いつでも楽しんで頂ける楽しい商品にしていきたいと思っています。
プロジェクトを成功を導く、リーダーが心掛けるべき3か条(まとめ)
1.ビジョンメイキングリーダーとして、ビジョン(目的地、理想像)を提示し、適宜コミュニケーションをして共有化することの重要性。結束力、一体感、組織力の源泉となる。それに加え、社会的な意味づけという意味では、バリュー(軸、行動規範)も重要。共通する価値観を持って、プロジェクトを推進していくこと。
2.モチベーションマネジメント
上層部からダメだしを受けても、原点(ビジョンやバリュー)に立ち戻り、モチベーションを維持、アップすること。
3.対話の必要性
現場に顔を出し、直接想いを伝えること。方向性やベクトルを合わせるためには直接対話することが重要。色々な利害関係者を纏め、管理調整していくためには聴く力と話す力、つまり、コミュニケーション力が必要。
大企業という組織の壁が厚い中にいて、顔が見える、数少ないビジネスパーソンです。このような方々がこれからの日本を活性化していくことでしょう。
クローズドな(閉ざされた)会社組織からオープンな(開かれた)会社組織へ。企業も個人をあまり統制せず、異文化の方々とも交流することに寛容なほうが結果的にレベルアップに繋がっていくことと思います。
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