販売プロセスを細分化してライバル企業の弱いところを突く
ライバルの弱点を突く戦略を考えよう!
ビジネスにおいて、付加価値を生み出すプロセスを細分化して強みや弱みを分析する手法にバリューチェーン分析というものがあります。この分析手法を活用して、自転車業界で付加価値を生み出すプロセスを、商品企画から部品調達、製造、販売、アフターサービスに分解した時に、薄利多売で圧倒的なパワーを誇る量販店もアフターサービスというプロセスがアキレス腱になっていることがわかります。
そして、このアフターサービスこそ弱者であるサイクルベースあさひが成功するための大きな鍵を握るプロセスといえるのです。
サイクルベースあさひでは、このアフターサービスを充実させるために『サンキュー点検』と呼ばれるわずか390円(税抜)で自転車のメンテナンスを行うサービスを導入し、徹底したアフターサービスに注力しています。
このようなサービスの充実は取りも直さず顧客数の増加に繋がっていきます。実際にサイクルベースあさひは、年平均6%で顧客数を増やすことに成功し、顧客の増加が売上の増加をもたらしている格好になっています。
マーケティングの定石を実践すればどんな環境でも業績アップが実現できる
今、日本はデフレ経済に突入し、牛丼業界に代表されるように厳しい価格競争が繰り広げられています。それは、自転車マーケットにおいても同じ構図で、大手の量販店同士が価格の安い自転車を目玉に集客に躍起になっています。この大手の価格競争に巻き込まれないためにサイクルベースあさひは顧客との密着度を高め、顧客が何を望んでいるかを常に探求し、痒いところに手が届くようなサービス、そしてそのサービスを実現する人材育成に注力しているのです。
自転車に特化するという一点集中、そして顧客との距離を近くするという接近戦は、正に弱者が市場で勝ち残るマーケティング戦略の定石であり、サイクルベースあさひは教科書通りにマーケティング戦略を実践して成功を収めていると言えます。
現状、デフレ経済下の日本において大手企業が主導する低価格を武器にした価格戦争に疲弊する企業にとっては、価格以外の面で顧客を魅了するサイクルベースあさひのマーケティング戦略は好事例の一つとして自社の戦略に取り入れられることは多いのではないでしょうか。