全量純米蔵「神亀酒造」を訪ねた

前回記事で紹介した、良質の純米酒を旨いつまみとともに出すことで注目の銀座の「佳肴 みを木」。ここでメインアイテムとして提供されているのは「神亀」だ。なかなか飲めない希少アイテムも揃う。

これ、「みを木」を応援する蔵として、神亀酒造の小川原良征専務が名前を連ねているから。実は、小川原氏が幹事を務める『全量純米酒を目指す会』の蔵を応援する「全量純米酒ファンド」を運営しているのも、「みを木ファンド」を運営するミュージックセキュリティーズ(株)。つまり、「みを木」と「神亀」はファンドつながりというわけ。

この「全量純米酒蔵ファンド」の出資者には、一般公開をしていない蔵の見学という特典がある。先日、神亀を応援する「ひこ孫ファンド」出資者の方々とともに神亀酒造の見学に参加してきた。一般の見学を受け付けない神亀ゆえに、出資者向けの見学会は本当に貴重な体験となった。写真とともに、蔵をリポートしよう。

神亀のれん

純米と熟成の酒として、根強いファンを持つ神亀。日本酒は好きじゃないけどこれだけは飲めるという人もいるくらい

寒風吹きすさぶ1月中旬。埼玉県蓮田の神亀酒造蔵に集まった出資者は十数名。まずは事務所内で、小川原専務のご挨拶と説明を受ける。

 

専務挨拶

見学者向けに挨拶と説明をされる小川原専務。テレビ撮影は「ガイヤの夜明け」だ

当日はテレビ撮影も同時に行われた。メディアも注目の蔵であるのと、このファンドの新しさも紹介されるのだろう。日本酒が経済情報番組に出るのは、ファンとしてはうれしいこと。

 

洗米

洗米した米を、それも大吟醸用の米を触らせてくれるお蔵はそうない

蔵内に入る。洗米した米に触れながら、「今年度の米は猛暑のせいか3ランクほど低い」と専務。たとえ高くても、できるだけ良い米を買おうと決めているのだとか。全量純米酒蔵ならではの決意だ。やはり、米が酒の味を決めるのだから。

 

山田錦

真っ白で美しい。これは「山田錦」。隣の青森産「華吹雪」はいくぶん重い

精米・洗米した後の米(大吟醸用)を触らせていただいた。しっとりとして冷たく、水を吸っているので重量感もある。水分の具合や重さで良し悪しがわかるとか。大吟醸用の45%精米の山田錦だ。

 

蒸し器

現在若い従業員の方も多いとのこと、神亀での経験は宝だろう

珍しい四角い釜。翌日蒸すための準備だ。ムラなく平らにすることが重要。きめ細かい作業が山のようにある。

 

麹

麹が繁殖した米は、扱いが難しい、この蔵はすべて手作業

まるで彫刻か地上絵のように見える「出麹」。この蔵はすべて「麹蓋仕込み」(小さい箱を使い、手作業で丁寧に麹を造る方法)だ。純米酒は麹の使用量が多いのだ。この麹をたっぷりと口に含み噛み砕くと、蒸した栗のような優しい甘さが広がる。

 

麹

手のひらに山盛りにして「食べてみなさい」と。こういう経験も蔵内ならでは

米一粒一粒にきれいに麹が繁殖している。「突き破精(つきはぜ)」(奥)と「総破精(そうはぜ)」(手前)。「最近は固い麹が多い。握ってスポンジのようにぎゅっと固まるくらいが理想。このくらい柔らかい麹は、味の濃い酒になる」と専務。

 
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