リクエストと「リクエストのようなもの」の違い
リクエストする時は、相手にしてほしいこと、してほしくないことを具体的に伝える
「○○して欲しい」または「○○して欲しくない」
となります。ここで気をつけなければならないのは、このように直接的に伝えることを恐れるゆえに、「リクエストのようなこと」をしてしまっていることです。自分の伝え方を振り返ってみてみましょう。
■間接話法を使って伝えている
「部長が○○までに欲しいと言ってるのでやってくれないかな」
「これが期限内で納品されないとみんなが困ると言っているから仕上げてくれないか」
■正論を言ってしまう
「もう新人じゃないんだから、目標の1000万を達成するのは当たり前じゃないか」
「お客様がそう言ってるんだから取り組むべきじゃないか」
■交換条件を言ってしまう
「企画会議の資料は来週でいいから、こちらを明日までにしてくれる?」
「その仕事は誰かに頼むからやってくれよ」
このように伝えてしまうと、相手の成長に働きかけるというより、逆に次のような無言のメッセージが伝わってしまいます。
- 責任を逃れをしている
- 自分の都合で指示命令している
- 妥協している
「明日の10時までに報告書を作ってください」
「目標の1000万円を達成させてください」
「このサービスは廃止してください」
とリクエストを伝えるようにすることです。
効果的にリクエストする方法
リクエストを伝えるときには、次の2つのことを意識するといいでしょう。■リクエストは協力を要請するか、障害を取り除くことである
多くの協力を得れば、プロジェクトの進行は早く前進します。また、障害を取り除けば、リスクを避けることができます。リクエストするときは、「私からあなた」という個人的なお願いなのではなく、「会社の目標を達成するため」「プロジェクトチームを円滑に運営するため」など、全体の利益にひもづいて行うという意識を持つことです。
■リクエストは新しい可能性をひらく
人は自分の思考や行動に枠を自動的に設けてしまいます。なぜなら、そのやり方で今までうまくやってこられたのですから、変える必然性はないのです。しかし、他の視点からのリクエストはその人が無意識に持っている枠の外に連れ出し、新しい可能性をひらくことができます。
■次のステップへの道しるべとなる
たとえリクエストの内容が実行されないとしても、他にも選択肢があることを知ることで次のステップへの道しるべとなります。
リクエストすることと同じくらい大事なのは、相手からのリクエストも聞くことです。
「何かやって欲しいことはありますか」
「やって欲しくないことはありますか」
この問いかけを自ら相手にすることにより、リクエストすることの抵抗が少なくなってきます。
リクエストすることは、部下が今までの能力を超えた成果を出すことにつながります。すなわち、リクエストすることは、相手に潜在的な力があることを信じている、ということを伝える手段でもあるのです。
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