思い込みの枠を超える挑戦をさせる
部下に挑戦させ、今まで以上の力を発揮させるのがマネージャーの大事な役割
輪ゴムをイメージしていただくといいでしょう。新しい輪ゴムは伸びにくい。しかし、一度大きく伸ばすと、元の形には戻りません。つまり、ストレッチすると元のサイズより大きくなるわけです。
このように、相手にストレッチ(伸ばす)させることは、マネージャーとして必要なスキルです。それを可能とするのが、「リクエストする(要望する)」というコーチングスキルです。
リクエストするのが怖い理由
リーダーとして部下に業務を遂行させることは必要です。それ以上に大切なのは、相手の能力の限界を超え、次のステップに移行させることです。有能なマネージャーは、どんどんリクエストを創り出し、本人が今までに試したことがない領域までに力を発揮させることができます。相手にリクエストするということには2種類あります。それとは、
「~をして欲しい」(協力を要請する)
「~をして欲しくない」(障害を除去する)
と相手に伝えることです。
たとえば、
「今月中に100人のお客様の声をインタビューして欲しい」
「この作業には1時間以上をかけて欲しくない」
などという言葉があるでしょう。実際にリクエストを伝えるとなると、物怖じしてしまったり、うまく言い出せなかったすることはないでしょうか。リクエストすることに抵抗を感じるとすれば、その理由は大きくわけて2つあります。
- 断られたり、拒絶されるのではないかと思っている
- リクエストなど人にお願いするのは、弱い人間がすることだと思っている
リクエストすることに抵抗がある人は、おおむね次のようなことを考えています。その場合は、下のヒントを参考にするとリクエストがしやすくなります。
1.断られたり、拒絶されるのではないか
断られることも拒絶することも当たり前。選択肢は相手にあり、リクエストはアイディアの1つ。リクエスト通りにいかなくても行動を起こす材料になります。
2.リクエストなど人にお願いするのは、弱い人間がすることだと思っている
リクエストは物事をはっきりさせたり、行動に結びつけるために効果的なコミュニケーションの1つであることを認識することです。相手に伝えなければ何も始まりません。