大阪編
☆「ラ・ベ」の「オーストラリア産ソルトブッシュラム 背肉のロティ、肩肉ブレゼのカネロニ タイムの香るジュ」オーストラリア産ソルトブッシュラム 背肉のロティ、肩肉ブレゼのカネロニ タイムの香るジュ
添えられたカネロニのクオリティも高く、火入れも文句なし。主役のラムロティだけではなく、ガルニまで作りこまれた一皿。「ラ・ベ」は関西のレストランでは一番・数多く通っているフレンチですが、ここで食べた肉料理の中では、今回のこの一皿が一番良かったですね。
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☆「ユニッソン・デ・クール」より「丹波鶏クネル 北海道シマ海老 アスパラ シャンピニオンパリ チンゲン菜」
丹波鶏クネル 北海道シマ海老 アスパラ シャンピニオンパリ チンゲン菜
これに合わせるソースも、実に軽やかに仕上げてあり、鶏にも海老にも違和感なく馴染むような相性抜群の汎用性。パリの三ツ星「ル・ムーリス」でソース部門のトップを務められていた実力とセンスは、やはりさすがの域ですね。
羽のように舞うフイユテ、柔らかく弾力のある丹波鶏のクネル、フレッシュなシマ海老、それらどれもがソースと共にエレガントな余韻を残す、実に見事なハイクオリティ。クラシックからモダンに進化させた極みの逸品と呼べるでしょう。エクセラン!
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☆「ヴァリエ」より「佐賀牛いちぼ肉 ロッシーニスタイル(ディナーコース料金+2,000円)」
佐賀牛いちぼ肉 ロッシーニスタイル(ディナーコース料金+2,000円)
最近のレストランで、ロッシーニ風をオンリストしている店は少ないですが、古典料理の中でも、とりわけこの料理には今でも愛好家(ロッシーニを敬愛している私もその1人)が多いとか。高井シェフ自身も、同じくこの料理がお好きらしく、和牛料理としてディナーメニューにオンリストされているというわけです。
まず、シェフのロッシーニスタイルを語る上で欠かせないのが、A-5クラスの佐賀牛いちぼ肉! シェフも初めてこの肉を見た時は驚かれたというほどの肉質の良さは、いちぼ肉でありながら脂の乗りが秀逸で、こんなサシの見事な「いちぼ肉」はなかなかお目にかかれません。柔らかいのはもちろん、その脂(旨味)の上質なこと! 焼き加減も全体に馴染むように緻密な火入れが施されており、より一層・肉香と旨味を引き立てていますし、フォアグラの柔らかさと合わせても、違和感なく咀嚼できました。
高級食材を惜しげもなく使ってあるだけあって、フォアグラやペリグーソースと絡めて食べる至福感は、他のどんな料理でも味わえない究極の美食アンサンブルといえます。
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☆「サクラ」より「雷鳥(ライチョウ)料理」
雷鳥(ライチョウ)料理
自然な苦味は感じますが、香りも御馳走なのです! そして豊満な香りと、弾力のあるジューシーな食感が堪らない! 噛みしめる度に、香りと苦味と旨味が複雑に織り成し、飲み込むと気品すら感じられるラストノートを儚く残していくのです。これは2週間もの期間のフザンタージュ(熟成)の賜物でしょう。見た目も艶やかで張りのある肉質が、食欲をソソりますし、これだけ見事な出来栄えの「ライチョウ」料理は初めて。
「サクラ」の詳細データはコチラ。もう一つの感動作「リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル」も掲載しています。
☆「コンヴィヴィアリテ」より「北海道根室産サンマのデクリネゾン」
北海道根室産サンマのデクリネゾン
料理名のデクリネゾン=活用変化とあるように、サンマの「骨」以外は「肝」も「皮目」など全ての部位が使用してあり、それぞれの部位が「ソース」や「リエット」、「燻製」に姿を変えて登場しているわけです。
例えば、サンマのマリネに使われているマヨソースにはちゃんと「肝」が混ぜてあり、円やかな苦味が加味され、マリネされたサンマの旨味をグッと引き立てますし、皮目だけを串に巻き、焼き込まれたものは、その香ばしいサンマ香と共にパリパリの食感が楽しめ、どれを食べても、サンマ尽くし。一皿の上で、一つの食材だけを使い、ここまで丁寧に手の込んだ前菜に仕上げられるシェフの卓越したセンスと才気には素直に脱帽ですね。
特に、サンマを使った「リエット」は、ねっとりとした食感の中に、纏まった旨味エキスが凝縮されており、これまた類い希な味わい。これは全国のサンマ好きの方々には是非食べていただきたい! とすら思えた逸品です。
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☆「エテルニテ」より「和牛ほほ肉の赤ワイン煮」
和牛ほほ肉の赤ワイン煮
深遠たる艶やかな色合いのソースは、深みもあり、官能的なまでの香りの余韻を残しますが、キレがよく、後味もスッキリ。肉そのものも鹿児島産の良質な和牛だけあって、しつこくない上品な旨味が噛みしめる度に拡がります。
また、マコモダケ、豆もやし、アピオス、ソラマメ等、彩り良く散りばめられており、こういう盛り付けの妙も華やかさを演出し、女性には嬉しいところでしょうね。
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☆「ル・ヌー・パピヨン」より「ステック・フリット」
ステック・フリット
さらに、この日は「ベアルネーズソース」付き! クラシック料理では有名なソースではあるものの、作り手にとってはとってもデリケートなソースなので、最近ではあまり見かけなくなっていますが、シェフは果敢に作られているのです! ビストロとはいえ、やはりステーキにはベアルネーズが定石。もちろん、ステーキだけでなく、付け合せの「フリット」につけて食べても旨い! この食べ方、かなりオススメです。
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☆「ア・ラ・ルーシュ」より「滋賀県蔵尾ファームから届いた蔵尾豚肩ロースのロティとそのスペアリブの煮込み」
滋賀県蔵尾ファームから届いた蔵尾豚肩ロースのロティとそのスペアリブの煮込み
この「蔵尾豚」を一皿の上で、「ロティ」と「スペアリブ」の2種類の調理法で提供され、それぞれの部位(調理法の違い)による味わいの違いを存分に愉しめる内容となっているのですが、ロティのほうは、とりわれ脂身から放たれるジューシーな旨味分子と、上品な柔らかさが特筆物で、シェフの丁寧な火入れテクニックが光る、食べ応えも満点の一皿でした。
また、スペアリブのほうは、トマト・シブレット・レモン・豚のコンソメで煮込まれてあり、角煮のようなトロットロンの柔らかさ! しっかりと染み込んだ味付けも秀逸で、ロティにも負けない美味しい存在感は、私が食べてきたスペアリブの中では間違いなくナンバーワンに値するクオリティ。
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☆「ル・シャルボン」より「ノワール ド ビゴールの炭火焼とドライフルーツ、バルサミーコと香草の香り」
ノワール ド ビゴールの炭火焼とドライフルーツ、バルサミーコと香草の香り
特に炭火で調理されるため、シンプルで無駄がなく、素材の持つ旨味が上品に的確に伝わってくるんですよね。こういったソースよりも、肉本来の滋味で勝負する料理は、その肉質そのものに質の高さが求められる料理ですが、さすがはノワール ド ビゴールと、それを活かしきる炭火のプロフェッショナル、さすがの仕上がりでした。脂身が持つ凝縮感、旨味濃度も高く、素晴らしいジューシーな柔らかさと、ラム酒に漬けたドライフルーツによる複雑で甘く広がるアフターが堪りません。
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☆「ラ・シーム」より「鴨フィレのロースト パイナップルのエキス」
鴨フィレのロースト パイナップルのエキス
好みの話になりますが、「鴨」は過保護的な低温調理よりも、こういったクラシックな焼きスタイルのほうが、皮目のパリっと感や脂の風味が際立つと思うので好きですね。身質のジューシーさはもちろん、この皮目の香りと旨味が堪りません! そしてそれを際立たせる甘酸味には、パイナップルと洋酒が使われており、実にコクと深みのあるテイスト。また、ジロール茸とジャガイモ、それに黄色い人参のピューレを纏う姿は、初夏に相応しいトロピカル仕様といった感じでいいですね。
焼き(火入れ)加減・素材力・盛り付け(彩り)・ボリューム等、全てが秀逸ですし、何より昼のコースでこれだけハイクオリティな肉料理が出てくるところが凄い。
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