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ラバーソールとは!メンズシューズの靴底について考えてみる

メンズシューズの靴底の中でも代表的なラバーソールについて解説します。レザーソールの有力な対抗馬とも言える存在・ラバーソール。まだまだ改良・進歩の余地が存分に残っているソールとも言えますが、まずは典型的「ラバー」なものを2つ見て行きましょう!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

ラバーソールとは? 靴底の奥深い世界

ラバーソール色々

レザーソールだけでなく、ラバーソールの類も実は奥の深い世界です。その特徴に応じて使い分けることができれば、靴の魅力を更に楽しく味わうことが可能になります

今回はその有力な対抗馬とも言える存在・ラバーソールの様々について考えてみたいと思います。価格の差があるせいか、紳士靴の世界ではレザーソールに比べ一つ下の存在と考えられがちですが、それが持ち合わせていない非常に優れた特徴があるのも事実。両者をどう使い分けるか? これが全ての靴を長持ちさせる為の一つの秘訣なのです。

で、これが詳しく見ると様々な分類が可能で、いやはや非常に奥の深い世界なのです! また、現状がある意味完成され尽くされた感のあるレザーソールとは対照的に、ラバーソールはまだまだ進歩・進化がなされている領域です。今回は一応「素材」と「トレッドパターン」とで大まかに分けてご紹介しますが、その種類の豊富さは、履かれている環境の多様さ、そしてそれに対しての適応性の進化を示しているのだと考えていただいて結構です。

<目次>
 

ラバーソールの種類……弾力性に富むクレープソール!

クレープソール

天然ゴム、すなはちゴムノキから採れる「ラテックス」を主原料とするのが、この「クレープソール」です。カジュアル系の革靴に多用され、欠点も多いけどクッション性の良さで好きな方には堪らない底材です

ラバーソールとして最初にご紹介したいのは、そう、デザートブーツでお馴染みのクレープソール。他のラバーソールは所謂石油系の「合成ゴム」を主原料としていますが、これは「天然ゴム」、すなはちゴムノキの樹液(ラテックス)を主原料としているのが大きな違いです(最近では合成ゴム系のものもあります)。ラテックスに酢酸を添加させることで固化すると共に、その過程であの独特な波状の模様が現れるのです。

その特徴は、何と言っても柔軟性とクッション性の良さでしょう! 優しさと強さを兼ね備えたあの独特な反発力は、レザーソールや他のラバーソールでは全く経験できないもので、まるで主原料が天然ゴムであることを主張するかのようです。他の優れたラバーソールが続々と登場して来た中でも、クラークスのデザートブーツが登場して以来、未だにこの底材を使い続けている理由も分かる気がします。

ただしこのソール、欠点も実は結構ありまして、まず、雨天時には意外と滑り易いのです。特に地面が傾斜のあるタイルの際には要注意で、ガイドは警戒していたにも関わらず何度もコケまくっております。あと、原料が天然ゴムであるが故に、ガソリン等の揮発性物質や高温には弱く、例えば夏場には地面に対して「粘り付く」感覚を受けやすかったり、更には紙や髪の毛などの汚れも付き易く、古くなると次第に固く劣化してしまうのも難点です。レザーソール比べると重いのも厄介ですが、それらの欠点を差し引いても、やっぱり独特のクッション性は魅力! やや趣味的ではあるものの、カジュアル系の靴の底材としてはこれからも残り続けて欲しい存在です。
 

ラバーソールの種類……若い頃も今も、お世話になってる合成底!

合成底

合成ゴムを主原料としたソールの代表選手が、学生時代に大抵の方が履いた経験がある筈の恐らくこれでしょう。足アタリが硬く、通気性も劣るのですが、確かに耐久性は抜群です。本当にこれ、見た目以上にタフなんですよ!

主原料が石油系の「合成ゴム」でできたソールとして最初にご紹介したいのが、ご覧のような「合成底」でしょう。特に名前があるものではないようですが、我が国では中学や高校の制服と合わせる革靴の底材として、大抵の方が一度は経験なされている素材ではないでしょうか。

特徴は何と言っても耐久性の高さ! 多少の衝撃にはビクともしませんから、現在でも学生や営業職の方など、革靴を酷使せざるを得ない人向けの靴の底材として多用されるのも納得です。あまりのタフさに、ひび割れ等の致命傷でアッパーの方を先にダメにしてしまう方も結構多いようです。また、流石に雪や大雨の時はともかく、多少の雨に対しては比較的滑り難いのも安心して使える点でしょう。

ただ、レザーソールの「味」を一度知ってしまうと、この合成底はやっぱり足アタリをどうしても硬く、そして非常に重く感じてしまう! 屈曲性や通気性もそれに比べ劣ってしまうので、靴の内部が蒸れ易く、そのせいか長時間履いていると「疲れ」も多く出がちです。とは言え、これらの欠点を少しでも解消しようと、各靴メーカーが新たな素材を都度採用しているのも事実であり、まだまだ改良・進歩の余地が存分に残っているソールとも言えるでしょう。

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