葉酸の効果・役割
野菜って本当にすごい!
葉酸はビタミンB群の水溶性ビタミンで、新しい細胞の生成やメンテナンスに不可欠。葉酸は、ほうれん草、アスパラガス、ブロッコリー、オクラなどの緑の野菜や豆類に多く含まれます。体内に蓄積されにくいため毎日摂取することが大切です。葉酸は調理による加熱に大変弱いことが知られています。葉酸摂取の観点では、生でサラダとして食べたり、さっと炒め物にする程度が好ましいようです。
1日当たりの摂取推奨量は、30~69歳の男女の場合240μg。妊婦は1日480μg、授乳婦は1日340μgが推奨されています。平成20年の国民健康・栄養調査によると、葉酸の1日の平均摂取は男性で312μg、女性で294μg摂取です。妊婦・授乳婦では不足する可能性が高い栄養素です。十分な葉酸を食事やサプリメントから摂取することで、大腸がんや動脈硬化を予防する可能性も示唆されています。
葉酸の不足
特に胎児の成長に不可欠です。神経管閉鎖障害(無脳症・二分脊椎など)の発生リスクの低減するためには、妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの間に十分な葉酸が摂取できていることがとても大切です。食品からの葉酸摂取に加え、サプリメントから1日0.4mgの葉酸摂取が勧められています(上限1mg)。
また、葉酸は赤血球の生成に必要で貧血を防ぐために大変重要な栄養素です。葉酸が不足するとホモシステインといわれるアミノ酸がが血中に蓄積します。ホモシステインの上昇は、動脈硬化、脳卒中、認知症、アルツハイマー病のリスク上昇と関連があるといわれています。透析を行っている人やアルコール中毒の人に欠乏症が多くみられます。
葉酸の過剰摂取
じんましんが出たり呼吸障害が出ることがあるので、食事摂取基準では上限値(30~69歳の男女の場合1400μg)が設けられています。
ビオチンの効果・役割
卵は栄養の宝庫。何でも食べ過ぎに気をつけて。
ビオチンは、ビタミンB群に分類される水溶性ビタミンで皮膚の健康を保つビタミンとして一般的に知られています。ビオチンは脂肪酸の生成やアミノ酸の分解代謝に関与しています。
ビオチンの不足
ビオチンは様々な食品に含まれ体内でも腸内細菌によって作られるため欠乏症を起こすことは稀です。特殊な食事(点滴のみなど)によってビオチン摂取量が極端に低い人、生の卵白を大量に食べる人は、脱毛や皮膚炎などが起こる可能性があります。研究の一環として、生の卵白を1日20個以上食べ続けた場合などに欠乏症がみられたという報告があります。生の卵白にはアビジンというビオチンと結合してしまう物質が含まれますが、この問題は加熱により解消されます。ビオチン欠乏は、食品からの摂取不足に由来するものではなく、先天性の代謝異常などによるケースでみられます。
コリンの効果・役割
コリンは水溶性のビタミン様物質で、一般的にビタミンB群に分類されており神経伝達物質の前駆物質です。細胞の構成などにも重要な働きがあります。コリンは卵、レバー、大豆などに含まれます。コリンの十分な摂取は、がんの予防や知的機能に役立つと考えられています。様々な効果が発表されていますが、ほとんどが動物実験によるものです。
コリンの不足
コリンは体内で十分生成できるという見解もあれば、不足すると肝機能が変化するという報告もあります。女性・子供・乳幼児を対象にした研究は行われておらず、まだはっきりしない点もあります。一般的な食事をしていれば不足しないと考えられていますが、コリンが含まれない点滴のみから栄養を摂取している場合には不足することが報告されています。