金融機関との付き合い方 注意したい7つのこと
金融機関とのつきあい方の基本をおさえよう
■1.返済日は絶対に守る
何と言っても一番重要なこと、それは金融機関の信用を損なわないということです。なかでも返済期日に確実に返済をしていくことは基本中の基本。そのためには日頃からキャッシュフローをきっちりと把握しましょう。最低でも3ヶ月先までの資金繰り表を作成しておくべきです。入金については、万が一の入金の遅れや不足なども考えて余裕を持って予測し、支出についても不測の事態に備えて多めに予測しておくクセをつけましょう。
■2.リスク分散をする
これだけ不透明な時代ですので、金融機関自体の経営がおかしくなって急に融資をしてくれなくなるということも考えられます。また、自社に対してA銀行が厳しい評価をして融資してくれない場面でも、B銀行は自社に対する評価が高く、融資を引き受けてくれるということもありえます。借入先を一行に絞らず、複数の銀行と取引をしておけば財務的なリスク分散になります。よく言われることですが、金融機関は雨の日には傘を貸さずに晴れの日に傘を貸したがるもの。ガイドの経験上、それを逆手にとり景気が良いときや経営が順調なときに取引銀行を増やしておくことがコツです。
■3.絶対にケンカをしない
金融機関とケンカをしても1つも良いことはありません。相手も人間。金融機関相手に対して感情的になれば、経営者としての評価が下がるのは間違いないです。日頃から良好な関係を築くことが重要です。ガイドの経験上、金融機関担当者との接点を増やしておくのが良好な関係を築くコツだと思います。例えば、定期積金を契約して毎月集金に来てもらい事業の進捗について聞いてもらうなど、信頼関係を深める取り組みをしましょう。
■4.過度に交渉しない
A銀行の利率を元にB銀行に利下げを交渉する。ビジネスですので、そういった駆け引きがあってもおかしくありません。ただ、こういったことをあまりにも露骨にやる会社は金融機関から見て印象はあまりよろしくありません。経営が調子良いときはいいのですが、もし経営が危なくなってきたとき、どこの金融機関も助けてくれなくなるという可能性があるので注意が必要です。
■5.残高を置く
融資を借りている場合、日頃からその金融機関の口座にある程度の口座残高を維持するように心がけましょう。金融機関は1ヶ月の口座の平均残高(平残といいます。)を把握していて、融資残高に対してある程度の割合の平残がある状態を望ましい状態と考えています。万が一の急な支出に備えて、定期積金口座を開設して毎月積み立てを始めることがオススメです。金融機関からそういった姿勢が評価されます。
■6.急を避ける
急に融資を申し込む、急に定期預金を解約するなど、金融機関は急な動きを警戒します。ゆとりをもった計画性のある資金繰りを心がけましょう。ガイドの経験上、融資が必要であれば、2ヶ月前くらいから準備しておくことをオススメします。間違っても、「来週月曜日が支払いなので、貸してください!!」というようなことのないように注意しましょう。
■7.融資担当者、支店長さんとのつき合いを深める努力を
金融機関から見て、企業経営に対する評価基準は財務諸表の数字だけではありません(財務諸表など数字での評価は定量評価といいます)。社長の能力や経営に対する考え方、優れた技術や社員、事業の将来性など総合的に評価されることになります(定性評価といいます)。こうした数字以外の評価というのは、日頃のお付き合いのなかからも評価されるもの。融資担当者や支店長に常に信頼されるようなおつきあいをするなかで評価が高まるということも頭に入れておきましょう。
会食やゴルフのおつきあいまでできるくらいになれば理想的。ガイドの経験でも、資金繰りに困ったときに日頃から信頼関係を深めてきた融資担当者が助けてくれたことがありました。本部に何度も出向き、審査を通過させるために粘り強く説得してくれたのです。こうしたことは日頃の信頼関係の上に成り立っていきます。
金融機関を経営の味方にしよう
ここまで見てきたとおり、金融機関とのつきあい方は信頼を深めること、双方の発展になる関係を築くことが基本です。そのためには日頃から双方がWin-Winの関係になれるようにおつきあいすることが重要。こちらから融資を要請することもありますが、逆に融資担当者から投資商品の購入や定期預金や定期積金の協力を要請されることもあります。そういったリクエストにも無理のない範囲でなるべく応えてあげるようにしたいですね。もちろん、いいなりになる必要はありません。ただ、日頃から金融機関を会社経営の味方にして、会社の発展のためにも協力してもらうという発想を持つことが大切です。