1円株式会社、日本版LLP――会社設立の敷居がますます低くなりつつありますが、「本業のことを考えると法人化はちょっと」という人も多いはず。そんな場合、どのようなことに気をつければよいのかについてご説明します。
 

週末起業家の大半は法人を作らずにスタートする


週末起業家の多くが、特に法人などを設立せずに、事業をスタートさせています。理由は「設立のための法的な手続きが要らない」「設立、維持に費用がかからない」「会計処理が簡単・容易」など。

もちろん個人事業でも、従業員を雇うことができます。また個人名で活動しなければならないというわけではなく「屋号」をつけて活動することもできます。ただし、この屋号は登記をしていないために、法律で守られたものではありません。また屋号の中に会社とか、法人とかの文字を入れることはできません。

なお、銀行口座も屋号を入れて作ることができます。その場合の名義は「屋号+個人名」となります。

というと「お客さんからの振込口座名に個人名が入っているのはいかにもかっこ悪い」とお思いの方がいます。その場合、振込先のあて名を指定することで「屋号のみ」にすることができます。これにより、お客様には個人名をはずした口座名を案内できます。詳細は、口座開設時に銀行に相談してみてください。

と言うわけで、法人を作らずに個人として週末起業をスタートさせたとします。実はその場合でも、あなたには3つの選択肢があります。
 
・税務署に届けを出さずに始める
・税務署に届け(開業届け)を出して始める
・税務署に開業届けを出し、さらに青色申告をして始める



届けを出さないで始める


週末起業を始める方からいただく質問でよくあるのが「どこかに何か届出が必要か?」というものです。商売をすることそのものに、特別な届出は必要ありません。通常は特に届けも出さずに週末起業を始めることができます。(もちろん薬品や中古品など、販売に許認可が必要なものもあります。これについては、東京商工会議所>中小企業相談センター>許認可窓口をご覧ください。)

この場合、気になるのは税金です。これに関しても、まず初めは、一定の所得を得たら申告するということで対応できます。

週末起業家は、会社で給与を得ています。そのためそこから得た所得(収入-経費)は、通常「雑所得」という扱いになります。本業に付随する補助的収入というわけです。この雑所得は、年間20万円を超えなければ確定申告の必要すらありません。ただしこの「雑所得」がマイナスになっても、給与所得などから引くことはできません。

また「雑所得」が年間20万円を超えた場合、確定申告が必要となります。この場合、最寄の税務署に申告することになります。これは毎年3月15日までに前年分を申告します。

なお、取引先が企業の場合、支払いが源泉徴収されている場合があります。その場合は、すでにその企業があなたの代わりに税務処理をしてくれたことを意味します。

ただし、この場合、経費が引かれる前のものに課税されていますので、普通は税金を払いすぎています。これについては、確定申告することで払いすぎた分が帰ってきます。
 

開業の届出をして始める


一方、税務署に「事業開始の届け(開業届け)」をいう申請をしてから始めることもできます。こうすることで、税法上あなたの週末起業は「個人事業」という扱いになります。

 また、あなたは「個人事業主」になり、あなたが週末起業で得る所得は「事業所得」と言うことになります。

事業所得は、事業を営んでいる人がその事業から得る所得のことです。週末起業の場合、給与所得と合算して申告することになります。

つまり、週末起業のビジネスが赤字だった場合、会社から給与天引きされた税金から、そのマイナス分について返してもらうことができるのです。

週末起業でも、立ち上げ時などは「経費を引くと赤字」ということがよくあります。ですから、これを利用しない手はありません。

ただし、仮に所得がマイナスだったり、あっても20万円未満だったりした場合、「雑所得」の場合は申告は不要ですが、個人事業の場合は申告が必要になります。

次のページでは、個人事業主にお得な「青色申告」について解説します!