「羽二重団子」190年愛される理由 

1819年創業の東京・日暮里の「羽二重団子(はぶたえだんご)」。シコシコ、もっちり、滑らかな、餡と焼きの2種類の団子。それだけを看板に掲げ、190年以上もの間、愛されてきた理由とは? 

「羽二重団子」と文学作品

日暮里駅近くの芋坂にある「羽二重団子」。店の前を流れていた音無川は、今は道路の下。

日暮里駅近くの芋坂にある「羽二重団子」。店の前を流れていた音無川は、今は道路の下

東京・日暮里の名物団子「羽二重団子」。夏目漱石の『吾輩は猫である』や正岡子規の『道灌山』などに登場する「芋坂の団子」のこと、と聞けば、ピンとくる人もいるでしょうか? 

1819年に初代澤野庄五郎氏が現在地、芋坂に開いた「藤の木茶屋」がその始まり。供した団子が絹織物の羽二重のように肌目が細かいと称賛され、それがいつしか菓名となり、屋号となった「羽二重団子」。代々当主が「庄五郎」を襲名し、現在は6代目。今回は次期7代目の澤野修一氏にお話を伺いました。

「羽二重団子」焼きと餡、どちらがお好き?

「羽二重団子」昔ながらの製法を守り、日持ちはその日限り。店内で出来立てを楽しみたい。

「羽二重団子」昔ながらの製法を守り、日持ちはその日限り。店内で出来立てを楽しみたい

滑らかで粘りがあり、シコシコとした「羽二重団子」。独特の扁平な形なのは、焼き団子に火が入りやすくするため。そしてお供え物に使われる丸い団子を庶民が口にするのは畏れ多いので平たくしたという2つの説があるそうです。

こし餡の「餡団子」は甘さ控えめながらコクがあるので満足感があり、生醤油の「焼き団子」はお酒とも好相性です。扁平な形ゆえに短時間で満遍なく火が入るためか、焦げて苦かったり表面が固くなったりせず、柔らかさと芳ばしさが同時に楽しめる稀有な焼き団子。塩気もきつ過ぎず、いい塩梅です。

実は私は熱烈な焼き団子派ですが、澤野氏によれば、面白いもので、餡だけ、焼きだけ、両方、とお客さまの求めるものは色々ながら、最終的にはほぼ同数が出るのだとか。 

次ページで、気になる羽二重団子の作り方をご紹介します。