和菓子/まんじゅう・餅菓子

「羽二重団子」はなぜ愛される?(2ページ目)

1819年創業の東京・日暮里の「羽二重団子(はぶたえだんご)」。シコシコ、もっちり、滑らかな、餡と焼きの2種類の団子。それだけを看板に掲げ、190年以上もの間愛されてきた理由とは?

原 亜樹子

執筆者:原 亜樹子

和菓子ガイド

よそが300搗くなら、うちは600搗け

広々とした店内。庭を眺めながら寛ぎたい。

広々とした店内。庭を眺めながら寛ぎたい。

気になる作り方は、米の粉を湯でこね、蒸し、臼と杵でよく搗く(つく)というシンプルなもの。ポイントは、主に庄内産のささにしきを自家製粉した粉を使うことと、「よそが300搗くなら、うちは600搗け」というほどよく搗くこと。澤野氏によれば「とはいえ搗き過ぎれば糊(のり)になるので、いい加減まで搗くのです。」

実のところ米の粉で作る団子は、搗かなくても練って蒸して丸めるだけでもできますが、それではシコシコとした食感や、餅にも似た伸びを味わうことは叶いません。澤野氏は、この歯ごたえと粘りこそが庶民の団子なのだといいます。

ちなみに焼き団子の方がより歯ごたえがあるのは、餡団子の生地とは水加減が違うため。生醤油を付けて焼いたときに生地がだれないよう、少し固めなのだそうです。 

HABUTAE1819 羽二重団子 日暮里駅前店

好きな甘味が3種類選べる「羽二重アラカルト」日暮里駅前店限定。

好きな甘味が3種類選べる「羽二重アラカルト」日暮里駅前店限定。

一見頑なに江戸時代からの伝統を守っているかのように見える「羽二重団子」ですが、例えば伝統的には1串に4粒の団子を刺すところ、現代人の少食傾向に合わせて2粒のものも用意したり、カフェ感覚で利用できるモダンな店舗「HABUTAE1819 羽二重団子 日暮里駅前店」を開いたり、と時代に合わせて変化する柔軟性も忘れません。

新しい風を取り入れても、野趣ある団子であることは変わらない「羽二重団子」。代々の庄五郎氏により大切に伝えられてきた団子には、歴史を重ねてきたお菓子だけが持つ独特の力があります。

<店データ>
「羽二重団子」本店
住所:東京都荒川区東日暮里5-54-3
電話番号:03-3891-2924
営業時間: 9:00~17:00
定休日:年中無休
地図:羽二重団子

■HABUTAE1819 羽二重団子 日暮里駅前店
住所:東京都荒川区東日暮里6-60-6
電話番号:03-5850-3451
営業時間: 10:00~19:00
定休日:年中無休(但し12/30~1/1を除く)
地図:羽二重団子

◇予算一例:(持ち帰り)
「羽二重団子」餡団子(こし餡)1本231円
「羽二重団子」焼団子(生醤油)1本231円
幾本でも折詰可能。餡・焼の比率も自由。
※進物用の折代は63円~容量による。
「しづくあん」12個入り746円

◇予算一例:(本店内)
「だんご」1人前2本(4粒刺し)1皿462円
「抹茶セット」抹茶とミニだんご2本(2粒刺し)546円

◇予算一例:(HABUTAE1819 羽二重団子 日暮里駅前店)
「羽二重アラカルト」588円
 

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