メンタルヘルス/その他の心の病気

自分の知らない、もう1人の自分(2ページ目)

人には多かれ少なかれ、2面性があるものです。しかし時には、自分の知らないもう1人の自分がいる場合があります。今回は心の病気で言う、多重人格(解離性同一性障害)についてお話します。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

多重人格を思わせるサイン

多重人格は心が極端に解離してしまった状態ですので、解離の基本的な症状である、記憶の無い時期があるどうかが重要なポイントです。また、多重人格に共通して見られる小児期のトラウマの有無を確認する必要があります。以下に多重人格を思わせるサインをまとめてみます。

・記憶の無い時期がある
・身に覚えのないものがある
・ひどい頭痛がする
・現実感が喪失している感じがする
・子供のときトラウマとなることがあった
・知らない人から親しげに話しかけられることがある
・身の回りの人から話し方、態度などの劇的な変化を指摘される

さらに症状が進むと、以下のような明確なサインが現れてしまうこともあります。

・自分のことを一人称でなく、私達といったり、彼、彼女、彼らと呼んでしまう
・もう1人の自分の声が聞こえる


多重人格は極めて稀な心の病気のようですが、精神科を受診しても、他の人格の存在に気付かないこともあります。そもそも、精神科を受診しないケースもかなりあるでしょう。実際、多重人格は意外に多く、心の病気全体の中で数%を占めるとも言われているのです。ひょっとしたら、自分の知らないもう1人の自分がいるかもしれません。抜けている記憶はありませんか?


<All About関連>
  • トラウマが記憶を消してしまう時
  • 自分が自分でなくなる? 記憶に空白があるとき
  • 児童虐待のきっかけと心の闇 虐待に走る親の深層意識とは?
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