折にふれ、TVや新聞で目に飛び込んでくる痛ましいニュース。「子供が虐待を受けて…」。

どうしてこうした事件が起きてしまうのでしょう? また、児童虐待を防ぐ手段はあるのでしょうか? 今回は子育てに潜む病理 “児童虐待”に迫ります。


具体的にはどんな事が児童虐待?

子供が健全に育つためにも児童虐待はあってはなりません!
子供が健全に育つためには児童虐待はあってはなりません!
子供の健全な発育を妨げる保護者の行為や、保護者として当然の義務が果たされない時はすべて児童虐待です。児童虐待には以下の4つのタイプがあります。
  • 身体的虐待: 子供を身体的に傷つける
  • 性的虐待: 子供に性的な事を強要する
  • 心理的虐待: 子供を怒鳴りつけて怯えさせたり、愛情を子供に示さない
  • ネグレクト: 子供を学校へ通わせなかったり、食事を十分与えないなどの養育の放棄
実際の虐待のケースではこれら4つのタイプの虐待が組み合わさって起こります。


しつけと虐待の違い

どこまでがしつけの体罰で、どこからが虐待なのか? その境目は微妙ですが、しつけは子供の行いの悪いところを正して、良い方向に向けるものです。もしも体罰によって子供がおびえてしまったり、子供の心に傷が残ってしまうようなら虐待です。また、怒った時にはコントロールが効きにくいので、しつけのつもりでいても虐待になってしまうことが少なくありません。


児童虐待が起きる理由

アルコール依存は児童虐待へのリスクとなります
アルコール依存は児童虐待へのリスクとなります
どういった時に子供への虐待が起きやすいのでしょう? 児童虐待のリスクを以下にあげてみます。
  • 仕事、生活上の強いストレス
  • 子供が子育てに手間のかかるタイプ
  • アルコール、薬物依存
  • 失業などの経済的問題
  • パートナーとの不仲
  • 子供の時に虐待を受けた
上のリスクのうち、特にどれが児童虐待へ寄与するのかとなるとあまりはっきりしません。しかし、虐待を受けた子供が大人になると自分の子供を虐待してしまう傾向があるのは大きな問題です。

また、親の価値観、教育方針が知らず知らずに児童虐待になっている場合もあります。善意の気持ちがあるだけにエスカレートしがちで、かつその酷さに気づかないケースがあるので厄介です。例えば、「子供の時、苦労した方が大人になって役に立つ」といって、子供のしつけがいき過ぎてしまい他者から見たら虐待になっている場合などがそうです。昔の漫画の“巨人の星”、覚えていらっしゃいますか? あの大リーグボール養成ギブスなどはどうなのでしょう?


虐待を受けた子供に起きる悪い影響

児童虐待は子供の心に大きな傷となって残り、以下のような悪影響が起こり得ます。
  • 自分に自信が持てない
  • 対人関係が苦手
  • 自傷行為
  • 人格障害
  • 自分自身の子供の虐待
虐待を受けた子供は心が深く傷ついています。悪い影響を最小限にするためにも周囲の暖かいサポートが大切です。


児童虐待への対策

子供は社会の未来です。児童虐待は見逃さない!
子供は社会の未来です。児童虐待は見逃さない!
まず子供を持つ親としては子育てに関する講習会などに積極的に参加して子育てのストレスを軽減させ、児童虐待など子育てで起こり得る問題点をよく知るのが良いと思います。

また、虐待されている子供に周囲の人が気付いたらすぐに児童相談所などの公共の機関に知らせるのが大切です。児童虐待はエスカレートすると歯止めが利かなくなることが少なくありません。「他所の家のことだから」といって見て見ぬふりをしてしまったら、新たな悲劇が起きてしまうかもしれません。

欧米では虐待は重大な犯罪という認識が浸透しています。日本人の赤ちゃんが現地の病院へ行って、おしりの蒙古班を見た看護師が虐待と勘違いして警察へ通報したり、また、ショッピング・モールの駐車場に止めた車に子供を残したまま買い物に出かけて戻ってみたら車の周りが人だかりになっていて虐待の現行犯で逮捕といった事件もありました。

もしも、虐待かもしれないと思い当たりがある場合はどうしたらよいのでしょう? まず、児童虐待はれっきとした犯罪であるという意識が必要です。また、虐待は良い事を何も生み出しません。虐待を受けた子供の心には傷が残り、子供の心が親から離れていってしまいます。

子供は社会の未来です。その子供に虐待など本来、あってはならないはずです。しかし、残念ながら児童虐待は家庭という密室で起きているためか見過ごされるケースも多いと思われます。子供の成長は家族のみならず、周囲のみんなからも見守れているとなれば児童虐待も減るのではないでしょうか。


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