メンタルヘルス/その他の心の病気

自分が自分でなくなる? 記憶に空白があるとき

白昼夢、背中をたたかれてはっとすることありませんか?これは、「解離(かいり)」と呼ばれる現象ですが、その程度が大きくなると、不思議な事が起こります。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

精神医学の領域では、難解な言葉がつきものです。今回は、解離という言葉を説明します。

●解離とは?

まず具体例を紹介します。米国での有名な例なのですが、120年ほど前、ボーンさんという牧師さんに起こった事です。銀行から当時の金で500ドル(大金です)をおろし、幾つか請求書を払ったあと、蒸発しました

2ヶ月後に目を覚ましましたが、そこは、元、住んでいた所からは、遠く離れた場所で、しかも、ブラウンという名前で、小売店を営んでいましたが、周囲の人からは、普通に思われていました。その後、元いた場所に戻りましたが、その「2ヶ月間」の記憶はまったくありません

13年後に、催眠術をかけて、ブラウンさんと話をして、その間の記憶が蘇りました

これが解離現象です。

解離とは、体験したことが記憶となるプロセスがまとまりを失い、自己の意識、自我、記憶に混乱する現象です。極端な場合は、重い精神疾患となり、解離性障害と呼ばれます。その中には、記憶喪失、自分が自分と感じられなくなる離人症、多重人格などがあります。

上記の例は、「解離」の引き起こす極端なもので、「解離性遁走(かいりせいとんそう)」と呼ばれます。

●解離性遁走(かいりせいとんそう)

突然、家庭または職場から蒸発してしまい、あとで目がさめたときには、その間何をしていたという記憶がありません

原因としては、トラウマを経験したり、日常の生活が重荷になってしまい、現実からの逃避として、起こるといわれています。その記憶のないあいだ、別の人格になっていたこともよくあります。

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ところで、ある日、ボーっとして「白昼夢」状態で、周囲の人から声をかけられて、ハッと目をさますことがありませんか? これも軽度ですが、解離現象です。ストレスをため過ぎることが、解離の原因になるといわれています。解離しすぎると、上の例のように大変なことになりますので、日頃からストレスをためないような生活を心がけましょう。

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