2023年・令和5年は卯年(うさぎ年)
2023年(令和5年)は卯年
※本来、干支は十干と十二支を組み合わせたものなので、2023年の干支は「癸卯(みずのとう)」ですが、一般的には十二支のほうをさすため、ここでは「卯」をとりあげます。
十二支としての卯について
- 十二支では、4番目
- 卯の方位は、東
- 卯の刻は、午前6時を中心とする約2時間(午前5時~7時頃)
- 卯の月は、旧暦2月
- 陰陽は陰、五行は木気
2023年干支の「卯」という字の成り立ち
卯という漢字の成り立ちや意味は?
中国の『漢書 律暦志』では、「おおう」を意味する「冒」で、草木が伸び出て地面を覆うようになった状態を表すと解釈されています。中国伝来の十二支は、もともと植物が循環する様子を表しているので、十二支の4番目に、茎や葉が大きくなる様子を表す「卯」がくるのです。
2023年干支の「卯年・うさぎ年」の特徴
うさぎ年は飛躍の年⁉
また、うさぎは跳びはねることから、飛躍するという象徴になります。さらに、たくさんの子を産むことから豊穣、子孫繁栄のシンボルになっています。
2023年干支の兎(うさぎ)についての豆知識
【卯・兎・ウサギ・うさぎの表記の違い】漢字で書く場合、十二支の意なら「卯」、動物の意なら「兎」をあてるのが一般的です。また、生物学的には片仮名で「ウサギ」と表記されますし、平仮名の「うさぎ」も含めると、それぞれ違った印象になるでしょう。用途に応じ、上手に使い分けてください。
【ウサギの色】
ウサギは草食哺乳類で、およそ50種類の品種があり、体毛も茶、灰、白、黒など色々ですが、日本では古事記の「因幡の白兎」のように、白い体毛に赤い目をした日本白色種という品種がウサギのイメージになっています。白雪で体を作り、赤いナンテンの実を目に、葉っぱを耳にした「雪うさぎ」は、冬の風物詩ですね。
手軽でかわいい「雪うさぎ」は、雪だるまとは一味違う冬の風物詩
【ウサギの数え方】
ウサギは、ノウサギ類とアナウサギ類に大別されます。長い耳、短い尾、大きな目が愛らしい上、人に慣れやすくて鳴き声が小さいことから、江戸時代にはペットとしても愛されるようになりました。ペットはアナウサギを家畜化したものです。
一方、ノウサギは狩猟の対象でもあり、食用にも用いられてきました。昔からウサギを「羽」と数えますが、これは、仏教で四足の動物を食べることを禁じられていたため鳥として扱ったから、獲物の耳を束ねて持ち歩くことから「一把、二把」となり「一羽、二羽」に転じた、などの説があります。現在は、生きたウサギは「匹」、食肉は「羽」、ペットは「頭」「匹」と使い分ける場合が多いようです。
【日本の兎のキャラ】
「因幡の白兎」「兎と亀」「かちかち山」などでは、どこか狡猾に描かれていますが、日本で月の模様を兎に見立てるようになったのは、仏教説話で献身のシンボルになっているからです(詳しくは「月でうさぎが「餅つき」しているのはなぜ? 海外での月の模様の見られ方」で解説)。
日本で月の模様を「餅をついているうさぎ」というのは、仏教説話に基づいています
【西洋のうさぎキャラ】
うさぎは多産で繁殖しやすく、足が速くて躍動感があるため、西洋では豊穣や生命力のシンボルとされ、復活祭(イースター)のイースターバニー、幸運のお守りなどになっています。魅惑キャラのバニーガールも、ウサギの生殖能力が高いことに由来するとか。なお、「ピーターラビット」のように、ウサギのことを一般的にはラビット(rabbit)といい、バニー(bunny)は幼児語でうさちゃんというニュアンスです。
兎にまつわることわざ
・二兎を追うものは一兎をも得ず同時に二つの事を得ようとすると、どちらも成し遂げられなくなってしまうこと。
・兎死すれば狐之を悲しむ
同類の不幸をその縁者が悲しむことのたとえ。同類の死は自分にも同じ運命が近づくしるしだということ。
・兎の昼寝
亀を馬鹿にして昼寝をしたため、競争に負けた童話から、油断をして思わぬ失敗を招くこと。また、昼寝ばかりしている人のこと。
・脱兎(だっと)の如く
兎が駆けるようにとても速くて捕まえられないこと。
・兎の登り坂
兎は前足が短くて坂を登るのが巧みであることから、地の利を得て得意の力を発揮すること。
・兎の耳
人の知らない事件や噂などをよく聞き出してくること。地獄耳。
・兎の糞
長続きしないこと。物事が切れてしまい、思うようにはかどらないこと。
卯の豆知識
旧暦4月は卯の花が咲くころなので卯月
4月の異称。旧暦4月は卯の花が咲くころで、卯の花月ともいいます。
(詳しくは「旧暦・和風月名を12カ月言えますか?風情ある月の異称・別称」)
【卯の花】(植物)
ウツギの花のこと。ウツギは茎が空洞なので空木と書きますが、空木の花は旧暦4月に咲くため、「卯の花」と呼ぶようになりました。旧暦4月は今でいうと初夏にあたるので、唱歌『夏は来ぬ』(作詞:佐佐木信綱/作曲:小山作之助)で『卯の花のにおう垣根に』と歌われています。
【卯の花】(食べもの)
おからのこと。おからは豆腐の絞り殻ですが、「から」が「空」に通じ、空木の花も白いので「卯の花」と呼ぶようになりました。
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