栄養管理/炭水化物・糖質

ブドウ糖・果糖・ガラクトースの効果・役割・不足

私たちが食べる食事の約半分は炭水化物。炭水化物という言葉はとてもよく知られていますが、食べた炭水化物が体内でどのような働きをしているかはあまり知られていません。炭水化物は分解されると、ブドウ糖、果糖、ガラクトースという単糖になります。今回はこれらの単糖類の働きを紹介します。

一政 晶子

執筆者:一政 晶子

管理栄養士・米国登録栄養士(RD) / 栄養管理・療養食ガイド

一般的に炭水化物とは「糖質+食物繊維」の総称として使われ、とてもなじみのある栄養素。しかし、実は炭水化物はいくつかものグループに分類されています。

私たちが食べる炭水化物は、おおよそですが最終的には80%がブドウ糖、残りは10%ずつ果糖とガラクトースという単糖に分解されます。これらの単糖類は、肝臓で使われる場合とそこから体中へ送られる場合があります。
 

ブドウ糖(グルコース)の効果・役割

炭水化物たっぷり

炭水化物たっぷり。例えばクッキーを食べると小麦粉や砂糖などの炭水化物はブドウ糖や果糖へと分解されていきます

血液中にある単糖類の代表格で、生命活動維持に欠かせない活動のガソリンです。ブドウ糖は体内でも作られますが、食事で摂取するでんぷん(米、パンなど)はブドウ糖が沢山くっついたものであり、ブドウ糖の主な供給源です。腸から消化吸収され、肝臓を通り、そこから体のほとんどの部位に血液を介して送られます。過剰な量のブドウ糖は脂肪として体内に蓄えられます。

体の多くの部位では、ブドウ糖の使用にはすい臓で作られるインスリンが必要です。しかし、脳、腎臓、腸、胎盤などはインスリンなしでブドウ糖を使うことができます。インスリンなしでブドウ糖を使うことができる場所は、糖尿病による副作用が出やすい所でもあります。
 

ブドウ糖の不足

一部のブドウ糖はすぐにガソリンとして使われず、グリコーゲンとして肝臓に蓄えられ、睡眠中や食事の間などにまたブドウ糖へと変換して使われます。そのため、一般的な生活をしていれば不足することはまずありません。体内のブドウ糖(血糖値)は肝臓やインスリンなどのホルモンにより実に上手く管理されています。しかしこの肝臓に蓄えられたブドウ糖は18時間ほどで無くなってしまいますので補給が必要です。極度なダイエットや糖質制限、又は飢餓などでブドウ糖が不足すると、体自体であるたんぱく質を削ってブドウ糖を体内で作り出すようになります。カロリーを十分に摂取しながら厳しい糖質制限を行った場合の弊害はまだはっきりしていません。糖尿病では、血液中にブドウ糖が十分にあってもインスリンの不具合で、体がブドウ糖をガソリンとして上手く使えないこともあります。

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