事業計画の書き方・テンプレート! 項目や記載のポイント
成功への情熱を強く持ち、いざ起業!と勢いよく起業をしても、なかには事業がうまく行かないケースもあります。原因は様々ありますが、目立つのは事業計画書を作成せずに無計画に自分の思い入れだけで起業してしまったケース。出資や創業資金の融資を受ける際にも事業計画書が必要となり、その内容が審査結果に大きく影響してきます。起業・会社設立を決意したら、事業の中身をじっくりと検討しながら必ず事業計画書を作るようにしてください。何度も精査して書き直すことによって、客観的・論理的に事業の方向性をチェック・修正することができます。初めて事業計画書を書くという方は、最初は何を書いていいかわからないと思いますが、まずは自分で考えて書いてみるということが大切です。以下、事業計画書に盛り込むべき項目や記載のポイントについて、解説します。さあ、一緒に事業計画書を書いていきましょう!
<目次>
事業計画書の書き方1:まずは書式にとらわれずに自由に発想!
事業計画書は、特に決まった書式があるわけではありません。WEB上に様々なテンプレート・サンプルが出回っていますが、最初はそういった書式に無理矢理押し込めて記入していくより、自分の頭で考え、それを言葉や図表などに自由に表現していく方が良いでしょう。そうすることで、魂のこもった事業計画書ができあがるのです。とはいえ、最終的に事業計画書に仕上げるためには、以下の項目は必要になるでしょう。- 事業の目的(将来ビジョン)
- 事業内容(コンセプト)
- マーケティング戦略
- 売上・利益予測
- 資金繰り(開業資金計画・収支計画)
ワードやエクセル、パワーポイントで作成するのが一般的です。文字数が多ければいいというものでもないので、ポイントを押さえ、わかりやすくすることが大切です。商品であれば写真などのビジュアルを、数字に関してはグラフや図表を駆使して、読み手への説得力とインパクトも考えて作成してみましょう。
事業計画書の書き方2:事業構想の骨組みをまとめる
まずは導入部分です。ここでは、どのような事業構想なのかをわかりやすく端的に伝えることを意識しましょう。■企業概要
会社名、事業形態(株式会社か個人事業かなど)、代表者、所在地(予定)、従業員数などの基本情報と、創業者としての過去の経験・ノウハウ・技術、起業の動機などを記します。いわば、会社とあなたのプロフィールのようなものです。
■経営理念、事業の目的、将来ビジョン
創業者としての思いを存分に表現しましょう。融資や支援者、お客様を獲得する際に読み手から共感を得て、事業に協力してもらうために重要な項目です。
■事業の概要・コンセプト
事業内容、アピールポイント、顧客ターゲット層に対してどのようなサービスや商品を提供するのかを記します。提供する商品、サービスの販売・提供方法とその特徴、それらが顧客ターゲット層にマッチしている理由、事業の本質的要素、将来目標なども必要です。ここでは事業全体の概要をわかりやすく記載します。
事業計画書の書き方3:事業内容を具体的にする
さあ、ここからが重要です。あなたが進めていきたい事業が、成功を見込めるものであるという客観的な検証と裏付けデータを、下記の項目をカバーしながら示しましょう。■市場戦略:市場環境と商品・サービスの特徴
市場環境の調査状況、そのなかでの当商品・サービスのニーズと売れる理由、競合他社の商品と自社の商品との位置づけ、自社商品・サービスの他社にない独自性・新規性、他社と比べて優れている点、顧客にとってどのようなメリットがあるのか、その特色を発揮するためにどのようなノウハウ・裏付けがあるのかを記載します。また、ここで顧客ターゲット層を絞り込み、鮮明化します。
■価格戦略:販売・提供価格
原価も考慮しながら、顧客ターゲット層に受け入れられる価格を設定します。その価格の経営戦略的な意味を記載します。
■マーケティング戦略:認知・販売方法
絞り込んだターゲット顧客層に対して、どのようなアプローチで、どのような商品を売っていくのかを検討し記載します。また、販売回収条件、営業時間などに関しても検討します。
■仕入方法・生産方法
どのような商品を、どこから、どのタイミングで仕入れるか、必要な商品を安定的・計画的に仕入れることが可能なのかを記載します。仕入れに関する支払条件なども加えましょう。
■事業上の問題点・リスク
事業を行う上で問題となりうる点、リスクの可能性、その解決方法を記載します。
■競合他社分析
商品・サービスの品質、技術、価格、ブランド、販売方法などについて、当社の強み、弱み、それと比較して競合他社はどうなのかを表にして、総合的に分析します。
■組織・人員計画
事業を行う上での当初の組織体制、事業を進めるなかで必要となっていく人員、募集方法、雇用形態、待遇条件などを記載します。
■事業スケジュール
起業までの準備スケジュール、起業後に事業を軌道に乗せるまでのスケジュールなどを総合的に検討し記載します。各項目ごとに時系列で図表にするとわかりやすいでしょう。
■協力者(企業)・支援者
出資者、借入先、顧客、仕入先、技術・ノウハウ提供先、顧問など、事業に協力してもらえる協力者を検討し記載します。
事業計画書の書き方4:資金計画でお金の裏付けを検討しよう
いくら良い商品やサービスでも、しっかりとした損益や財務の裏付けが必要です。売上や利益の計画がただ強気でバラ色になりすぎても説得力に欠けますし、逆に弱気でお金がまわらないビジネスでは経営を維持することすらできません。その辺のバランスを考えつつ、それぞれの数字のつじつまが合うように作成していきましょう。■事業・商品別売上利益計画
商品・事業別に年ごと月ごとの売上数量、売上高、粗利益などを予測し、表に落とし込み記載します。
■予測損益計算書
当初1年間の月ごとの損益計算書を作成して記載します。
■開業資金計画・収支計画
起業当初に必要な設備、備品、店舗・事務所などの借入費用、内装工事費、仕入れ費用、広告費、その他の諸経費など、当初1年間の月ごとの収支計算を表に落とし込んで記載していきます。融資についても実行・返済の予定について盛り込んで行きましょう。
事業計画書作成のポイント:売れる理由と裏付けを明快に!
いかがでしたか?構想段階から事業計画書を書き始めるまで、最初はなかなか難しいと思います。大切なのは、まずは自由に書いてみるということ。そのうえで、身近な人や専門家に見てもらい、客観的な疑問を聞いてみてください。そして何度も何度も事業計画書を修正しながら、プランそのものを軌道修正していってください。特に記載項目のなかで、一番重要なのは、なぜ売れるのか?という理由とその客観的な裏付けです。そこに重点を置きながら構想し事業計画書としてまとめていけば、実際に起業した後のビジネスの成功確率そのものが大きく上昇します。日本政策金融公庫等で創業融資を借りる際も、事業計画書を元に融資担当者と1対1の面談があります。その際、事業計画書のデータを効果的に使って、説得力のある説明をしなければ、融資審査を突破することは難しいでしょう。
専門家が事業計画書の作成サービスをしていることもありますが、ガイドとしてはそのようなサービスを利用することはオススメできません。やはり、起業家自身が考え抜いた事業計画を起業家自身の言葉で表現するからこそ、魂のこもった表現が可能になるのです。
事業計画書のテンプレート・ひな形
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