節税対策/法人税の節税対策

中小企業も強制適用となるグループ法人税制(3ページ目)

平成22年度税制改正における法人税の大目玉として、「グループ法人税制」が導入されました。該当すれば、中小企業においても強制適用となります。

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド


中小企業向け特例措置の大法人100%子会社に対する不適用

資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人に係る次の制度については、資本金もしくは出資金の額が5億円以上の法人等の100%子法人には適用しないことにします。
  • 法人税の軽減税率(所得800万円以下は18%)
  • 特定同族会社の特別税率の不適用
  • 貸倒引当金の法定繰入率
  • 交際費等の損金不算入制度における定額控除制度
  • 欠損金の繰戻しによる還付制度

これまでは、中小特例の可否は、その中小企業の資本金が1億円以下か否かで行っていました。グループ法人税制の導入により、自らの資本金等の規模に加えて、親会社の資本金等の規模も基準に判定されるようになりました。つまり、親会社の資本金が5億円以上(会社法上の大会社)の場合、その100%子会社については、中小特例は適用できません。この取扱いは、平成22年4月1日以後開始事業年度から適用します。
説明画像

財務省平成22年度パンフレット「平成22年度税制改正」よりガイド作成
 

グループ経営における選択肢が増える

完全支配関係のある法人間での譲渡や寄附・受贈益(法人による完全支配関係のある法人間に限定)における今回の改正は、該当すれば強制適用となりますので、メリットかどうかは一概には言えません。しかし、グループ経営における選択肢が増えたということは間違いないでしょう。デメリットとしては、管理上の事務手続きの増加があります。子会社設立におけるメリットは、「別会社設立の節税」をご参照ください。
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