参加資格条件もさまざまに設定
孫のような世代と競い合うなんていうことも。これも10km~フルマラソンの大会では経験できない |
特に駅伝はチームの層の厚さがものをいいます。一人、二人の陸上競技部レベルの選手がいても、太刀打ちできません。これではレースの面白みもかけるというわけで、市民駅伝には参加チームの均質性を保つためにユニークな条件を定めている大会もあります。
東京都東村山市でおこなわれる多摩湖駅伝の壮年の部は年令合計が180歳以上という男女壮年の部を設けています。5月末に皇居周回コースでおこなわれる全国OBOG駅伝は、区間ごとに何歳以上でなければならないという条件が設けられています。男子の部第一走者は65歳以上、第二走者は60歳以上という具合です。グアムココロードレースで同時開催の駅伝の部には男女混合の部があり4人チームのうち1人以上が女性であることという条件が付いています。
実情に沿った大会要項の設定
陸上競技のランニング種目は基本的に距離が決まっています。マラソンは42.195kmで、トラック競技も公式種目は距離が決まっています。150m走とか2300m走といった種目はないわけです。しかし、駅伝は異なります。全国高校駅伝こそ男子42.195km、女子21.0975kmと決まり、予選大会も基本的にこの距離ですが、あの箱根駅伝も都合で距離はずいぶん変わっています。距離に決まりはありません。区間数もさまざまです。世界最長の駅伝九州一周駅伝は10日間をかけ、1056.2km、72区間を走ります。かつてあった青東駅伝(東日本縦断駅伝)もそうでしたが、一人の選手が複数回数(九州一周駅伝では4回まで)走れるというのもユニークです。途中棄権する選手があってもペナルティを課してチーム記録は生きるというようなルールもあります。実情によって大会要項を自在に変更できるのも駅伝の柔軟な特異性でしょう。