競馬場周辺は庶民的な雰囲気
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(上)街路も整備されておらず農村の雰囲気が残る(下)マンションが立ち並ぶ競馬場の南側あたり |
線路を南北、川を東西の軸と見立てると、その北東側はほとんど競馬場になることは先述しておりますが、競馬場は、いわば広大に平坦な土地。したがって北東のエリアは割と平坦。しかし住宅地として残るのは競馬場と線路、競馬場と川に挟まれたわずかなエリア。線路と競馬場に挟まれたエリアは道路幅が狭く、開発もあまり進んでいません。幹線沿いは外食チェーン店やその他の店舗が多く立ち並びますが(前ページの「競馬場向け民間駐車場」があるのもこのエリア)、一本中に入ると農村集落の雰囲気が色濃く残ります。一方、競馬場と川に挟まれたエリアにはマンションが多く立ち並びます。大半が高級な低層住宅が並ぶ仁川界隈ですが、競馬場周辺は少し様相が異なります。
山へとつながる低層で閑静な住宅街
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(上)「仁川」駅北東側の街並み。手入れされた植栽が美しい(下)弁天池の向こうには立派な一戸建て |
北西側以外に位置する、「仁川」駅周辺の大半の面積を占めるのが「斜面エリア」で、ここでは古くから住宅開発が進んで開けています。街全体が緩斜面でなだらかな坂が多いのですが、山に近づくにつれて勾配のきつい坂もあります。北東エリアは街区の大きな戸建てが多く、駅近には低層マンションも複数あります。いずれの戸建てもマンションも、連続的な街並みの景観を形成しており、とても落ち着いた雰囲気。特に弁天池を囲む住宅を池越しに望むと、5分も歩けば競馬場の喧噪があるなんて信じられない光景です。
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一直線に延びる道路。2階建ての一戸建てが続く |
川より南の西宮側、南東エリアも同じく戸建て街。北東側よりも少し道幅が狭いですが道路は直線的。行政の違いによる開発の差が表れているのでしょう。川を右手に見ながら山に向かって(=西に向かって)進んでいくと関西学院大学を経て甲山森林公園へと続きます。
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線路の西側にも劣らない街区がならぶ駅の南東エリア |
駅の南東側も戸建ての多いエリア。線路より山側が水辺のしっとりとしたイメージであったのに比べて、こちら側は、山から幾分離れるせいか、もう少しカラッとした印象です。このあたりにある
仁川学院はカトリック系の小中高一貫校です。
物件数は少ないが、相場は手頃
いつものように
賃貸HOME'Sで調べてみました。まず目についたのは物件の少なさ。「西宮北口」>「門戸厄神」>「甲東園」>「仁川」と「西宮北口」駅から阪急今津線を北に行くにつれ、物件数はみるみる少数に。経済学の基本では、供給が減れば価格は上がるはずなのですが、こちらの場合、価格も物件数同様に北へ行くにつれ数字が減少。しかし北に行き「宝塚」駅近辺まで来ると相場も上がり物件数も増えます。いわば仁川は相場の底の部分。阪急「西宮北口」「宝塚」両ターミナル駅からみて距離的に真ん中で遠いイメージがある事と、坂道や競馬場のネガティブなイメージなどが理由でしょうが、競馬場の喧噪感は少し離れるとあまり感じられないので、距離や坂道が気にならなければなかなか魅力的なエリアです。
ちなみに新築一戸建て(建売)を「仁川」駅で検索してみると、100平方メートル強の土地面積の物件で殆どが7000万円以下。桜花賞を1,000円買っていれば、一戸建てが手に入ったのに……。