憑依現象の実際と診断
悪霊、精霊、人、動物などが人に乗り移る、憑依現象は世界中で見聞されていますし、悪魔に憑かれた人の悪魔祓いをするエクソシストも実在するそうです。日本でも、狐に取り憑かれてしまう、狐憑きは一昔までよく聞かれましたが、こういった憑依現象には、多くの場合、その憑依の起きた地域特有の文化的影響があります。例えば、狐憑きの起きた地域には、狐の伝奇的な話が伝わっているものです。狐には人をたぶらかす力があり、美しい女性に化けて、男を誘惑するといった類の話ですが、実際、狐に憑かれると、狐のような声を出したり、しぐさをしたりもするそうです。
狐憑きの多くは女性で、普段、心的に抑圧された生活を送っています。例えば、姑からいじめられていた女性が、夫と口論の後、ヒステリーを起こし、狐に憑かれます。このような時には、狐に変化することによって、狐の特別な力を手に入れ、敵(?)に対して立ち向かう事ができるといった、心の防衛機構が働いているのかも知れません。
しかし、現在、狐憑きの話はほとんど聞かなくなりました。狐の話は単なるナンセンスで片付けられてしまう時代になったというか、そもそも、狐の話をご存知ない人も少なくないと思います。まあ、狐の話を知らない人に狐憑きは起こらないでしょう。
憑依現象は多くの場合、「特定不能の解離性障害」と診断できます。しかし、なぜ、心がこのように解離してしまうのかはよく分かっていません。本当になぜなんでしょうね?
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