メンタルヘルス/その他の心の病気

憑依現象は心の病気?

何かに取り憑かれてしまうように見える「憑依現象」は、世界中で大昔から目撃されてきました。超自然的ではありますが、実は、心の病気の範疇に入る現象です。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

憑依現象とは?
何かに取り憑かれてしまう憑依現象はどんな心の病気?
もしも悪霊に憑かれたら、もしも亡くなった人の霊が乗り移ったら? いわゆる、憑依現象ですが、現実にはあるのでしょうか? 悪霊や亡くなった人の霊が存在するかどうかは、医学的な事ではないので分かりませんが、何かに取り憑かれたように見える事は確かにあり、心の病気の範疇に入る現象です。今回は憑依現象はどんな心の病気なのかという話をしたいと思います。


取り憑かれた時、心に何が起こっている?

ぼーっとして、ふと我に返ったことはありませんか? その間、何を思い、考えていたか、よく思い出せないと思います。このような時が心理学的には、軽度ではありますが、心が解離している状態です。軽度の解離は疲れた時などによく見られる、ごく普通の現象ですが、心の解離が進んでしまうと、自己の意識、知覚、記憶にまとまりがなくなり、病的な現象が出現して来ます。何をしていたのか思い出すことができない空白の時間(解離性健忘)や本来の自分以外の人格(多重人格)が出てくることがあります。また、心が解離した時、以下のようなことが起きることもあります。

・自己のアイデンティティが変化する
・普段は見られないような行動が見られる
・声の調子が変化する
・何かに操られているような奇妙な動作が見られる
・その時の記憶が欠けている

このような時、周囲の目には、あたかも何かが乗り移った、憑依現象として映ると思います。

>>それでは、憑依現象の実際は? 診断は? 次ページへ>>
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