湿疹や痒みの起こる肌を上手にケアすることも、アトピー性皮膚炎の予防と治療に効果的です。

アトピーの主な原因の中には、乾燥肌、衣服の素材、汗、引っ掻き傷や皮膚にいる細菌など、肌にかかわるものも多いのです。「皮膚を清潔にして、皮膚をいたわるスキンケア」で、効果的に対処しましょう。

スキンケアは、特に傷んだ皮膚をケアしたり、乾燥肌に保湿剤を使ったりします。
(参考「スキンケア」・「夏のダメージ肌をケアする5つの鉄則!」)

乾燥肌・汗対策

シャワーでもよいので、毎日の入浴習慣は大切です
アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリアが壊れてしまうので、水分が蒸発しやすく、皮膚が乾燥しやすくなります。また、汗をかくと汗の中の栄養分で細菌が繁殖し、炎症を起こしやすくなります。

対処法として…
  • 毎日、シャワーもしくは入浴する
  • 石鹸を使って体を洗う(しかし、体をこすりすぎると、皮膚の水分まで抜けることがあるので注意)
  • 保湿のために、市販または医療機関処方の保湿剤・市販の化粧水、市販のベビーオイルなどを使用する。自分の肌に合わないときは、医師に相談したり、使用をやめましょう
■効果的な汗対策の方法
汗をかいたあとに効果的なのはシャワーです。シャワーは汗の水分だけでなく、皮膚についた細菌を洗い流してくれます。とはいえ、外出時にはなかなかすぐにシャワーをあびることもできませんので、こまめに汗を拭いて対応しましょう。できれば、綿のタオルがオススメです。

それに、アトピーの皮膚の場合、1日に何度も入浴して石鹸で洗ってしまうと、かえって皮膚がカサカサになってしまいます。汗を流す程度なら、さっとシャワーを浴びるだけでも十分です。肌をゴシゴシこすり過ぎないようにしましょう。こすり過ぎると、皮膚を刺激して痒みもひどくなります。
(参考「アトピー肌にもやさしい? 天然製法の石鹸」・「アトピー患者さんにオススメの汗対策グッズ」)

汗を拭いた後に、皮膚の保湿成分セラミドを含む軟膏やクリームを使用したり、尿素配合のウレパールやワセリン・プロペトを使用します。ワセリンやプロペトは肌がべとつくのが難点です。自分にあった化粧水を使うのもいいでしょう。

■効果的な保湿の方法
保湿剤には大きく2つに分けることができます。
  • 皮膚からの水分喪失を防ぐ
     
  • 皮膚の水分を保つ

基本的には、両方の作用を併せ持っていますが、製剤によって特徴があります。
・皮膚からの水分喪失を防ぐ保湿剤
皮膚の上に鎧のようにコーティングをして、水分の蒸発を防ぐ効果があります。脂質成分を含むものがほとんどで、代表的なものが、ワセリンです。ワセリンにも白色ワセリン・プロペト・サンホワイトといった種類がありますが、特に刺激性を少なくしたものがプロペトです。ワセリンが合わない人には、パラフィンを原材料とするプラスチベースが良いかもしれません。オリーブ油・椿油・ひまわり油などの植物油は、皮膚に脂質を補給することで乾燥を防ぎます。

・皮膚の水分を保つ保湿剤
皮膚が水分を離さないよう、水分保持を助ける効果があります。尿素含有軟膏は、特に水分保持作用が強く、ウレパール、ケラチナミン、パスタロンが代表的なものとしてあげられます。しかし、刺激性があるため、塗るとヒリヒリすることがあります。ヒルドイドも、保湿力が高い軟膏です。

・その他の保湿剤
熱傷や皮膚潰瘍に使用されるアズノール軟膏も、抗炎症作用を持つアズレンの他、ワセリンも含まれているので、保湿性があります。亜鉛華(単)軟膏は、白色軟膏と流動パラフィンを基材とする軟膏ですが、消炎作用と皮膚保護作用があります。サトウザルベは、酸化亜鉛が主体で、基材がなたね油とさらしみつろうであるため、亜鉛華軟膏より塗りやすいのが特徴です。
(参考「保湿剤」)

紫外線対策・日焼け対策

日差しが強くなると、紫外線対策が必要です
紫外線は、日焼けを起こします。日焼けは、皮膚の炎症なのでアトピー性皮膚炎を悪化させます。できるだけ、市販の日焼け止めクリームなどを塗って外出しましょう。なお、日焼け止めクリームを塗って湿疹がひどくなるなら、医師に相談したり、塗るのを中止しましょう。

■ 肌の露出を減らす
基本ですが、衣服でも紫外線はカットできます。特に、UV対策の衣服は効果的です。帽子を深めにかぶればおしゃれにもなりますし、UV対策にもなります。

■ 日焼け止めクリームを使用する
日焼け止めクリームは紫外線の影響をブロックする外用剤です。紫外線を吸収する方法と、紫外線を錯乱する方法があります。Z-Cote(R)というコーティングした透明で超微粒子の酸化亜鉛が、紫外線をブロックしてくれます。

紫外線防御効果の指標としては
  • SPF値:Sun Protection Factor 主に日焼けの原因であるUVBの遮断率
    例えば、SPF25の場合は、無対策の場合と比較して紫外線が1/25になり、SPF100は1/100になる。
  • PA:Protection of UVA UVAの遮断に対する効果を表している。PAは+(効果がある)、++(かなり効果がある)、+++(非常に効果がある)の3段階で表記されている。 

(参考「ダメージケアより予防が大事! 紫外線対策」)

衣服の工夫

衣服、下着は刺激の少なく、吸湿の良い木綿がお薦めです。汗をかいたら、なるべく替える。縫い目が皮膚に当たって、かゆみが出ることがあるので、裏返しに着るのもいいでしょう。洗濯後は、すすぎをしっかりして、洗剤を落としておきましょう。漂白剤や柔軟剤がアトピーを悪くすることがあるので注意!

傷からアトピーの悪化を防ぐ対策

とても初歩的なことですが、爪を短く切ることが重要。爪で皮膚を傷つけて、皮膚の細菌が皮膚炎を悪化させます。皮膚の細菌を減らす意味でも、石鹸などを使った入浴は重要です。

■痒みを和らげる工夫
痒みは、体が暖まるとひどくなります。そのため、皮膚を冷やすのが効果的です。特にお風呂上がりは、痒みがましてしまいます。少しでも掻かないようにするために、
  • 入浴時のお湯はぬるめで
  • 室温は低めに設定
  • 保冷剤でかゆみのある所を冷やす

などの工夫をしましょう。

■掻かない工夫
掻けないようにしたり、掻いても皮膚を傷つけない方法があります。
  • 手袋をする
  • 肘に筒をつけて、肘が曲がらないようにする
  • 湿疹部分に包帯をする
  • 夏でも長袖や長ズボンにする
  • 服の袖やすそを縛る
  • テーピングをする

特に、手袋は2重にする方がいいでしょう。でも夏では蒸れて、手の湿疹がひどくなるので、注意しましょう。
(参考「痒みを和らげる方法・掻いて傷つけない方法」・「アトピーの湿疹を掻かないために」)

■湿疹がひどくなってジクジクしている場合
皮膚にいる細菌が、悪化させている可能性があります。石鹸などできれいにすることが肝心で、それでもよくならない場合は、消毒を使ったり、抗生物質を使います。
(参考「皮膚を清潔にする消毒は効くの?」)

皮膚に直接治療する方法として
   ⇒ 4.アトピー性皮膚炎の外用薬 >>


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