アトピー性皮膚炎/アトピー性皮膚炎の予防法・治療法

皮膚を清潔にする消毒は効くの?

アトピーの治療として、スキンケアの1つに消毒療法があります。掻いて傷ついた皮膚をきれいにする消毒療法。皮膚のブドウ球菌を除菌するのが目的ですが、その消毒療法について説明します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

アトピーの治療の中でも大切なスキンケア。皮膚を清潔にすることで、アトピーの合併症を防ぎ、アトピーの悪化因子であるカビを抑えることで湿疹を改善する目的で行います。今回は、消毒について説明します

主な消毒薬とは

皮膚を殺菌するのが消毒ですが、消毒に使われているものは多くあります
消毒は、皮膚の除菌を目的にしています。抗生物質の軟膏も皮膚の除菌になりますが、主に、消毒薬を使用する方法が消毒(抗菌)療法です。
消毒薬として主に使用されているのは
  • ポビドン・ヨード10%(イソジンなど)
  • グルコン酸クロルヘキシジン(ヒビテン・マスキンなど)
  • エタノール(70%)
  • 石けん(医療用として塩化ベンザルコニウム(オスバン・ウェルパスなど))
  • 酢酸3%(お酢)
  • 強酸性水
  • 海水
  • 温泉水
  • 紫外線

  • などです。

皮膚の細菌

アトピーの原因や合併症に細菌が関与しています。アトピーの原因については詳しくはアトピーの原因を参照してください。特に、アトピーの病変部には、黄色ブドウ球菌がアトピーの増悪因子であることから、いかに黄色ブドウ球菌を減らすことが、アトピーの治療の1つです。

アトピーの合併症に伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん:とびひ)があります。伝染性膿痂疹の原因は、黄色ブドウ球菌や連鎖球菌が関与しています(『アトピーの合併症』を参照にしてください)。その意味でも、いかに皮膚を清潔にするかが重要です。普段からスキンケアを心がけましょう。

しかし、消毒にはデメリットもあるのです。

次のページでは、消毒の功罪についてご紹介します。
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます