ストレス/ストレス発散・解消法

一人暮らしはストレス?寂しさやメンタル管理の方法は

【公認心理師が解説】一人暮らしは気楽な反面、寂しさや不安を感じたり、ストレスを抱えてしまうこともあります。メンタルのバランスをとりながら、長く楽しく一人暮らしを続けていくためには、「生活習慣」と「暮らし方」の見直しが大切。一人暮らしでの上手なメンタル管理術を解説します。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

一人暮らしで不便さや不安などのストレスを感じる5つの要因

一人暮らしのストレスや寂しさを防ぐ2つの方法

一人暮らしはとっても気楽! その反面、ストレスになるポイントもたくさんあります

一人暮らしは、誰に気兼ねをすることもなく、自分なりの自由な生活を送ることができるのがメリットです。その反面、生活の不便さや一人でいることの寂しさや不安など、さまざまなストレスにもさらされやすいものです。また、自由さから生活習慣が乱れやすく、その結果、心身の健康のバランスを崩してしまうこともあります。

まずは、一人暮らしで感じやすいストレスの要因を5つをあげてみました。ご自身の生活を振り返り、あてはまる点がないかをチェックしてみましょう。
  • 生活全般に、緊張感と張りが薄れがちになっている
  • リアルで気軽に話せる相手がおらず、物事を一人で考え込みやすい
  • 生活を一人で切り盛りしなければならず、しんどいと感じる
  • 病気やけがをしたときに、近くに頼れる人がいないのが不安
  • 一人で暮らすことによる災害時、防犯上の不安を感じやすい
 

ストレスフリーのはずの気楽さが、心身に影響?

コンビニで買い物をする男性

一人暮らしは自炊が大変。しかし、食事を簡単に済ませていると、体調に影響が出やすくなります


また、一人暮らしでは夜更かしをしても、何を食べていても、誰にも干渉されず、注意をされることもありません。それが一人暮らしの良いところではあるのですが、こうした生活習慣が続くと、知らず知らずのうちに次のような不調が生じやすくなります。

・朝の目覚めが悪くなり、日中に意欲が湧きにくい
・食欲が湧かず、スタミナが続きにくい
・食後に疲労感を覚え、眠気が続きやすい
・体のだるさを感じ、気力が湧かない

こうして生活習慣や生活のリズムが乱れると、掃除や片付けも億劫になり、部屋の中は散らかりやすくなります。こうして生活の乱れと環境の乱れがリンクすることで、「どことなく体調不良」「どことなく憂うつ」と感じる日が増え、一人で悶々としてしまう方が少なくありません。
 

一人暮らしのメンタル管理法1:生活習慣の見直し

自炊をする男性

一人暮らしの健康管理のポイントは、睡眠、食事、生活リズム。頑張りすぎず、できることから整えていきましょう


では、一人暮らしの寂しさや不安、ストレスを減らすには、どのようなことを心がけて暮らしていくとよいのでしょう? まずは生活習慣の改善のポイントを解説します。

1)生活リズムを守り、早寝早起きをする
まず心がけたいのは、睡眠リズムの立て直しです。一定の時間に就寝・起床するようにしましょう。人間の体は、夜明けとともに目覚め、夜更けと共に眠くなるようにできています。本来の体内リズムに合った生活をしていくと、体調は改善しやすくなります。休日も、できるだけ平日と同じ生活リズムを守るようにしましょう。

2)丼ものや鍋でもよいので、1日1食は自炊をする
栄養バランスが偏ると、風邪などの感染症にかかりやすくなるだけでなく、無気力や疲労感が続きやすくなります。栄養豊富な食材を取り入れ、できるだけ1日1食は自炊をするようにしましょう。フライパンや鍋で作れる、丼ものや鍋料理でも十分です。スーパーで一人分のセット食材が売っていますので、それを鍋に入れてさっと味付けするだけで、栄養バランスのとれた自炊メニューができます。

3)休日も1回は外出し、生活に適度な張りを持たせる
休日は1日中部屋にこもっている、パジャマのままで過ごしている。疲れているときは、それでもよいでしょう。そうでないなら、1日に1回はきちんと着替えて外出するようにしましょう。書店で立ち読み、カフェでコーヒーを飲むなどの、ちょっとした外出でよいのです。着替えて外に出る、外の空気に触れる。この一手間が、気のゆるみがちな一人暮らしに適度な張りを与えてくれます。
 

一人暮らしのメンタル管理法2:暮らし方の見直し

窓辺で読書をする女性

自然の光、空気を取り入れ、人も招き入れると暮らしは活性化する。地域との適度なかかわりも大切


では、暮らしではどのようなポイントから見直していけばいいのでしょう? 基本的なポイントとして、以下の3つをお勧めします。

1) 日光を取り入れ、空気の入れ替えをする
自然光を浴びると体が気持ちよく目覚め、憂うつな気分が解消しやすくなります。窓辺の近くにベッドやソファを置き、自然光の恩恵を受けるとよいでしょう。また、ドアや窓を開く機会が少ないと、室内の空気がよどみ、気持ちもどんよりしてしまいます。短時間でも空気の入れ替えをして、気分をさっぱりさせましょう。

2) 居心地の良い空間をつくる
よほどの掃除好き、片付け好きでない限り、一人暮らしの部屋をきれいに保つのは大変です。しかし「他人の目」を意識すると、「何とかしなければ」と思うものです。居心地の良い空間を保つためにも、たまには人を招くようにしましょう。いざという時のためにも、友人や仲間とのつながりをもっておくことは、とても大切です。

3) 近所にライフサポート資源を見つけておく
災害や事故に巻き込まれた時、すぐに頼れるのは地域の人たちです。まずは、自分に合う「店探し」から始めてみましょう。カフェ、美容室、各種教室……こうしたところには、地域の情報が集まります。そこに通う人々との間で交流ができると、ライフサポート資源を増やせるようになります。

――以上のように、一人暮らしには気楽なだけでなく、ストレスもつきまとうもの。しかし、生活習慣と暮らし方を見直すと、そのストレスを軽くすることができます。ぜひ、取り組めそうなことから始めてみてください。

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