アトピー性皮膚炎/アトピー性皮膚炎の症状・原因・検査法

どう違う?大人のアトピー・子供のアトピー(2ページ目)

子供のアトピーの多くは治りますが、大人のアトピーはなかなか治りにくいと言われています。この違いは何なのでしょうか? 今回は大人と子供のアトピーの違いをご説明しましょう。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

その3:生活の違い…不規則さが目立つ大人

なかなか子供より早く寝れませんよね
子供の場合、小さいうちほど親が面倒を見てくれるので、バランスのいい食事はもちろん、掃除・洗濯の問題を抱えることもありません。幼稚園や学校に行っていれば、決まった時刻に起きて、規則正しい生活が送れます。

しかし、大人の場合は自分で食事に注意したり、掃除・洗濯をしないといけません。特に子供がいない家庭では、生活リズムがついおろそかになる人もいるようです。仕事の種類によっては、残業や交代制勤務による夜勤もあり、生活リズムはますます狂ってしまいます。睡眠不足もアトピーにはよくありません。

その4:成長の違い…体質変化しやすい子供

子供は成長していく中で、免疫機能も変化していきます。アレルギーの体質も変化するわけです。アレルギー・マーチはその例の1つです。また、子供から成人になる1つのポイントがあります。思春期です。ホルモンバランスの変化が体質の変化につながります。

一方、大人の場合、一旦獲得された機能はそのままであることが多いため、症状がなかなか取れにくいのです。特に、年を重ねるたびに、風邪の治りが悪くなったりして、年齢を感じることがあるかもしれません。

もちろん、子供と大人のアトピーは共通する部分も多いのですが、以上のような違いがあるのです。

大人・子供…アトピーの背景の違いが混乱を招く?

診断基準や治療ガイドラインが重要です
以上4つの違いがあることで、小児科医と皮膚科医の間で、食事療法の是非とステロイドの使用について意見が分かれたことがあります。その混乱を利用したアトピービジネスが増えたことで、さらに混乱を招きました。(参考:「(怪しい民間療法の見分け方」)。

湿疹を見れば、子供も大人もアトピー性皮膚炎と診断できます。もちろん、似た湿疹はありますので、まずは診断することが重要です。アトピー性皮膚炎の治療は現在日本皮膚科学会がガイドラインを定めていて、年齢別に違う適した治療を受けることができます。

大人も子供も同じ治療で効果があるとは限りません。個人差も大きいアトピーですが、年齢を考えて、さらに、その人に応じた治療を受けることが重要です。


豆知識
ホルモン:体内に存在する微量の生理活性物質。微量で様々な臓器に作用する。ホルモンは、自動調節作用で過剰や不足にならないようになっている。例えば、甲状腺ホルモンの異常で、多い場合、バセドー病、少ない場合、橋本病と言われる。ステロイドも副腎皮質ホルモンである。



<参考リンク先>
協和発酵「かゆみナビ」 アトピー性皮膚炎
協和発酵「かゆみナビ」 痒疹

アトピーの治療
薬物療法
ステロイド
塗る箇所によって違う!ステロイド使用法
アトピーに免疫抑制薬
内服薬
食事療法
食事療法
卵を制限してアトピー対策
牛乳を控えて食事対策
大豆を控えたアトピー対策
環境整備
スキンケア
梅雨に向けてのダニ対策
梅雨に向けてのカビ対策
子供のストレス解消!
梅雨でもアトピーを吹き飛ばそう!
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