子供のアトピーの多くは治りますが、大人のアトピーはなかなか治りにくいと言われています。さらに、同じ子供でも、乳児に比べて、学童の子の方が治りにくいのです。この違いは何なのでしょうか? 治りのよさ悪さを分ける、4つの違いをご説明しましょう。


その1:原因の違い…大人は環境・子供は食物

子供のアトピーの原因として食物があります。
アトピーの原因で説明しましたが、子供の場合、食物が原因になることが多いです。食物アレルギーとアトピーとの区別がつかないこともあります(参考:「アトピーと食物アレルギー」)。

子供の場合は皮膚バリア機能が未熟なため、掻くことで皮膚の表皮が傷ついてジクジクしてしまい、悪化しやすいのです。皮膚もかぶれやすい状態です。しかし、皮膚バリア機能が発達して食物に対する反応が減ることで、ひどく見えたアトピーも自然と改善していきます。

これに対して大人の場合は、ダニやホコリなど環境が原因になることが多くです。成長に伴って体質が違ったり、食物を避けるのに比べて、ダニ・ホコリを完全に除くことは困難です。皮膚バリア機能は発達しているにも関わらず、湿疹が出ていますので、アトピーによって皮膚バリア機能が壊れた状態を、外用薬で治療することになります。

その2:湿疹の違い…大人には「痒疹」もある

このように丸く盛り上がった湿疹が「痒疹」です(写真提供:東京医科大学 皮膚科学 教授 坪井良治先生)
湿疹のできやすい部分は、子供も大人も同じで、顔面、首、手足の関節部分です。湿疹は「アトピーってどんな病気?」で示したように、紅斑(こうはん)と呼ばれる、少し盛り上がって赤くなるものが多いです。時には苔癬化(たいせんか)といって、カサカサして皮膚が厚くなった感じになることもあります。

子供の場合は以上のものだけですが、大人の場合、これ以外に痒疹(ようしん)があります。円形で赤く盛り上がる湿疹です。この湿疹は、ステロイドや内服薬でもなかなかコントロールが難しいのです。

次のページでは、生活と成長の違いについてもご紹介しましょう。