解答と解説
1.妄想は自分では気付き難い?答:(A)はい 妄想は他人から見ると明らかであっても、本人はなかなか気付かないものです。思考に合理性や洞察力が欠けてしまっても、それに自ら気付く事はなかなか容易な事ではありません。
2.次のうち、妄想であると最も考え難い場合は?
答:(C) 加藤清正はあずみちゃんに暗殺されたと信じている高校生
信じている内容が不合理であっても、その人の属する文化、社会で広く信じられているものであったら、妄想にはなりません。小説、漫画、映画の主人公が実在であると勘違いしてしまう事はよくある事です。
3.嫉妬、罪業、心気、誇大の中から選ぶとどれでしょう。
答: (A)夫がこっそり女の人と会っている…嫉妬妄想
(B)自分は罪深い存在だ…罪業妄想
(C)悪い病気に罹っている…心気妄想
(D)自分はナポレオンの生まれ変わりだ…誇大妄想
4. 妄想の原因は?
答:(E)上記のすべて
妄想の原因と考えられるものにはさまざまなものがあります。本人の性格、DNAの遺伝情報やストレス、アルツハイマー病などの病気によって生じた脳内の器質的変化なども妄想の出現に関連しています。
5.被害妄想と関係深い性格は?
答:(C)疑り深い人
疑り易いか深いかは、人の気質を形成する要素の一つですが、疑り深い人、言い換えれば、猜疑心の強い人は、周囲のちょっとした事を自分に関する事として、悪い方向へ結び付けてしまう傾向があり、現実との差が拡大した時は、被害妄想に近くなっているかもしれません。
6.妄想が見られたら、精神科へ行くべき?
答:(A)はい
妄想の内容が限られていて、日常生活に顕著な問題が生じていない場合もあるでしょうが、基本的には精神科で相談すべきです。妄想は社会生活を送る上で支障を生じやすくします。妄想の内容に非合理性が顕著である、幻覚を伴っている場合はすぐ精神科を受診する事が望ましいです。
7.妄想は脳内の神経伝達物質のどれと係わり合いが深い?
答:(A)ドーパミン
心の病気は一般的に脳内の神経伝達物質の働きに問題が生じています。ドーパミンは快楽、報酬系に関係する神経伝達物質ですが、妄想、幻覚の発生にも関係深い物質です。ドーパミンの働きを調整する薬は、心の病気の主要な治療薬の一つです。
8. 妄想の現われない心の病気は?
答:(E)該当なし
妄想は多くの心の病気で出現する事があります。自分を卑下してしまう微小妄想は気分が落ち込み過ぎた、うつ状態の時に、反対に、自分を特別の存在と思ってしまう、誇大妄想は気分が高揚し過ぎてしまう躁うつ病で見られやすいです。また、現実と非現実の境を見失ってしまう事が特徴的な統合失調症では、妄想は幻覚と共に主要な症状であり、妄想性障害はその名の通り、妄想が主体の心の病気です。
9.妄想はアルコール依存症でも生じる?
答:(B)はい
脳に作用する物質は、アルコールに限らず、法律で禁止されている大麻、覚せい剤など、妄想が出現する原因となり得ます。
10.気分が高揚した時に生じ易い妄想は?
答:(C)誇大妄想
妄想の出現には気分も関与しています。気分が良い時は自信が増しやすいものですが、躁うつ病の躁状態のように気分が高揚し過ぎてしまうと、自己に対する自信が誇大妄想に近くなりやすいです。
Q&Aは如何でしたか? 意外に分かり易くなかったですか? 妄想は大多数の方には無縁ですが、強い思い込み、例えば、何らかの偏見、固定観念といったものは、誰にでもある事だと思います。これらは妄想ではないものの、やはり、生活を送る上で問題の種になり得ます。柔らか頭で思考の硬直化を防いで行きましょう!
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