▼ トランペットの名手トム・ハレル(Tom Harrell)

皆様は、ジャズの天才トランペッターであるトム・ハレルの音楽をお聞きになった事がございますか?

トム・ハレルは、20年以上にわたり、ジャズ・トランペットの世界で活躍してきましたが、近年、彼の音楽は、大きく注目されるようになりました。

彼の作品は、聞く人の心に直接訴えるような、メロディーが特徴で、ダウンビート誌より、Jazz Trumpeter of the Yearに3回、エンターテイメント・ウィークリー誌から Best Jazz Album of the Year (’98 Art of Rhythm)に選ばれ、‘98年にはグラミー賞にノミネート(Time’s Mirror)されました。

皆様も、彼が統合失調症と闘いながら、音楽の世界で最高のレベルに到達したことを知ったなら、大変驚かれるのではないでしょうか。

今回は、彼の統合失調症との闘いのエピソードをいくつか紹介いたします。

※トム・ハレルの音楽を視聴されたい方はこちらをどうぞ。

▼ 統合失調症の最初の兆候

トム・ハレルは、‘46年、イリノイ州で生まれました。5歳の時、サンフランシスコ近郊に移り、8歳で、トランペットを始めました。

子供時代は遊び友達も多く、快活な子供でした。しかし、異変は、大学に進学した直後に起きました。

彼が自殺を企てたと大学から家族に連絡が来たのです。

どうして、今まで、明るく過ごしてきた少年が、突然、自殺を企てるのでしょう?

これが、家族にとって、彼の病気の最初の兆候でした。


▼ 幻聴にしたがい、自殺未遂

トム・ハレルが二十代の頃、姉がホテルの彼の部屋に入ったところ、血だらけでいるのを見つけました。

「窓から飛び降りろ」と言う声にしたがい、飛び降りようと、窓ガラスを割って、怪我したのでした。

トム・ハレルは、病院で、妄想型統合失調症と診断されました。妄想型統合失調症は、妄想と幻聴が主症状で、現実と非現実の区別が付かなくなるのが、特徴です。

以後、彼は、薬を飲み続けることによって、統合失調症の症状を抑えています。

トランペットを吹いているときは、心の病気とは、無縁のようにみえますが、トランペットを手にしないときは、妄想、幻聴による奇妙な表情や行動を、彼のバンドメンバーは目のあたりにしています。

彼は音楽によって、かろうじて現実世界にとどまっていると、言えるかも知れません。

彼の創造性の秘密はどこにあるのでしょうか?

「私が音楽を演奏しているのか、音楽が私に演奏させているのか、私にはわからない」とトム・ハレルは語っています。

<注>上記の写真は、ラビリンス(Amazon.co.jp)から引用しました。

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