栄養管理/メタボ予防・減量したい人の栄養管理

やせ薬という響きに惑わされないで下さいね ダイエット食品で肝機能障害?

最近、中国で製造されたダイエット食品で肝障害がおき、死亡者まで出たとのニュースがありました。いろんなものが気軽に手に入るのがネットの良いところとはいえ、気をつけてくださいね。

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

昨年から今年にかけて、中国で製造されたダイエット食品で今年に入ってから12人の方が肝障害を起こし、一人は死亡、一人は生体肝移植を受けてやっと一命を取り留めていたというニュースが最近ありました。

厚生労働省が発表した商品名とその副作用

・御芝堂減肥こう嚢(おんしどうげんぴこうのう) 注
発売元:広州御芝堂保健制品有限公司

注)こう:月交(にくづきに交)

⇒服用した2名のうち1名は急性重症肝不全により約2ヶ月後に死亡、1名も入院加療を要しました。

・せん之素こう嚢(せんのもとこうのう)注
発売元:広東恵州市恵宝医薬保健品有限公司

注)せん:糸千(いとへんに千) こう:月交(にくづきに交)

⇒服用後1ヶ月程度で黄疸が現れ、検査の結果、肝機能値に異常が認められ、入院加療を要しました。
なお、去年、服用した女性7名について、同様の報告(肝機能値に異常が認められた)ありとのこと。

・中国から輸入されたハーブ類を原料とするカプセル状の痩身用健康食品の摂取後に、肝機能障害が発生し、生体肝移植手術を行ったとのこと。

詳しくは厚生労働省のホームページへ。

なにがこわいかっていうと、3つともネットで手軽に手に入るものなのに、この健康食品のなかのどの成分が肝障害を引き起こしたのかはまだ不明だということ、また、表示されている成分をみても、肝機能障害を起こすことは事前では予測できないものだったということです。

命と引き替えにダイエット・・・。
うーん。考えてしまいますね。


ちなみにせん之素こう嚢(せんのもとこうのう)には乾燥甲状腺末及びフェンフルラミンが含まれていました。また、同製品による健康被害事例(甲状腺機能亢進症)がみられていることから、現在まで二度にわたり注意喚起を行い、併せて、都道府県に対し必要な監視指導を要請しているそう。

フェンフルラミンは、商品名の中に『寧紅』,『減肥茶』の文字が使用されているお茶に含まれて、平成8年頃に話題になった物質です。その後、服用した肥満患者に、広く弁膜性心疾患がみられたという報告があります。
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