栄養管理/メタボ予防・減量したい人の栄養管理

ヒトは37℃温度設定の生体温熱維持装置! 水を飲んで痩せられるって本当?

水を飲んで痩せるなんてことが本当にあるんでしょうか?家庭の医学の視点から今回、水痩をとりあげてみました。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

水を飲んで痩せる!?

水を飲んで痩せる』最近こんな研究発表がありました。水を飲むだけで痩せることができるってホントでしょうか?今回は、家庭の医学の視点から「水痩せ」についてとりあげてみました。



飲んだ水の温度を体温まで暖めるのにカロリー消費!

まずは、水を飲んで痩せられるかどうか、Aさんでシュミレーションをしてみましょう。

体温が37℃のAさんは500mlの水をコンビニで買って、一日に3本飲みました。ボトルの水は全て22℃。この水は体の中で暖められて37℃になります。

体の中で水1mLの温度を1℃あげるためには1calの熱量が必要です。Aさんが飲んだ22℃の水1500ml(500ml×3本)を37℃に上げる時の消費カロリー計算を下記にしてみました。

22℃の水1500ml(500ml×3本)を37℃に上げる時のカロリー500ml×3×(37-22)=22.5kcal

22℃の水1500ml(500ml×3本)を37℃に上げるには、22.5kcalの熱量が消費されます。



水を吸収する時にもカロリーが消費されます

上記のカロリーに加え、体で水を吸収する時に消化管が動くことによってもカロリーは消費されます。

なので、Aさんが体温と同じ37℃のぬるま湯を飲んだとしても、カロリーは消費されます。

今回、Aさんは体温より低い22℃の水を飲んだので、上の計算で算出された、22.5kcal以上のカロリーを消費しているのです。




体温より低い水を飲むと運動した時と同じ効果が!!

体で熱を作る時には交感神経が働きます。また、体温より低い温度の水を飲むと交感神経を刺激する事になります。よって、水を飲むことで交感神経刺激による熱を消費することができ、これは運動した時と同じ効果となります。

暖めるために必要な熱 + 吸収に必要な熱 + 交感神経刺激による熱


水を飲んだときに消費する熱は上記の3つとなり、水を暖めるのに必要な熱の約2倍の熱を消費します。よって、22℃の水を1500ml飲んだとすると、約50kcal消費する事になるのです。


>>次のページでは、上の実験を1年間続けたときに、どれだけ痩せられるか検証してみました!
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