栄養管理/三大栄養素・その他の主な栄養素

3大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)

3大栄養素とは、炭水化物・たんぱく質・脂質の3つを指します。それぞれの栄養素が体に与える影響を、具体的な体内での働きや食材などを挙げて分かりやすく説明します。

一政 晶子

執筆者:一政 晶子

管理栄養士・米国登録栄養士(RD) / 栄養管理・療養食ガイド

まずは、人間の生命維持に欠かせない3大栄養素を説明します。

炭水化物。

3大栄養素が不足すると生命の維持が困難になります。写真は炭水化物を多く含む食べ物。

炭水化物=体と脳のガソリン

炭水化物を食べると、消化吸収されて血中で糖となり、この糖が体や脳の活動に欠かせないガソリンになります。消化吸収された炭水化物は、肝臓に蓄えられ、食事と食事の間には(睡眠中や昼食と夕食の間など)、そこから供給されます。食事を抜くと、血液中の糖が少なくなり、イライラしたり、集中力が欠けたりしてきます。体だけではなく、心や頭に大切な栄養源なのです。

炭水化物は糖と食物繊維に分類できます。栄養成分の表示がある場合は、「炭水化物」とだけ書いてあることも、「糖」・「食物繊維」と書いてあることもあります。糖が体と脳のガソリンであるのに対し、食物繊維には、満腹感を与えたり、便秘を予防したり、大腸の善玉菌の環境を整える働きがあります。雑穀米、雑穀パン、芋など、食物繊維の多い炭水化物を日常的に食べる習慣をつけることで、単なるガソリンとしての役割だけでなく、腸の環境改善など、複数の健康効果が期待できます。ただし、加工・精製された炭水化物を摂り過ぎると、体重増加などにつながるので注意が必要です。

■炭水化物が多い食品
・適量食べよう:米やパンなどの穀類、麺類、果物、牛乳・乳製品、豆、芋など
・控えめに:お菓子、清涼飲料水、菓子パン、スナック菓子

たんぱく質

たんぱく質が多い食べ物

たんぱく質=体を作る栄養素

たんぱく質は体を作る栄養素で、体内では古いものと新しいものが常に入れ替わっています。タンパク質は体の中で、アミノ酸に分解されます。アミノ酸は、髪、爪、内臓、筋肉などの主成分でもあり、ホルモンや酵素などを作るのにも欠かせません。

体で作れない必須アミノ酸があるため、食事から摂取する必要があります。特に、ホルモンや酵素に使われるアミノ酸の入れ替わりは速く、常に十分な量のタンパク質を摂取することが大切です。酵素は体内のあらゆる機能に欠かせず、ホルモンはそれぞれの器官が上手く機能するのに不可欠です。

ダイエットをする人は、カロリーばかりを意識して、肉や乳製品などたんぱく質が豊富な食品を控える傾向があるので、不足しないように注意が必要です。一方、脂身の多い肉、加工肉、揚げた肉などは、カロリー、塩分、脂質の過剰摂取で、体重、血圧、血中脂質などに悪影響を与えるので注意が必要です。

■たんぱく質が多い食品
・適量食べよう:魚、脂身の少ない肉、卵、乳製品、豆・豆製品
・控えめに:脂身の多い肉、肉や魚を揚げたもの、ハムやベーコンなどの加工食品

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