栄養管理

大ブレーク間近?注目の野菜「ケール」

日本では、青汁の原料としてよく知られている「ケール」。実は、サラダ、スムージー、煮込み、又はオーブンで焼いても美味しく頂け、見た目もオシャレなだけではなく、栄養素もビックリするほど優れた野菜なのです。

一政 晶子

執筆者:一政 晶子

管理栄養士・米国登録栄養士(RD) / 栄養管理・療養食ガイド

「ケール」という野菜を聞いたことがありますか?ケールは、日本では青汁でよく知られている緑の濃い葉野菜です。あまり日常的に食べる野菜という認識はないようですが、欧米などの多くの国では昔から親しまれてきた野菜です。実はこの野菜はとてもおいしく頂けるのみならず、すごい栄養素を含んでいるのです。

ファーマーズマーケット

ファーマーズマーケットにもケールが並んでいます

世界的に親しまれている野菜

オランダやアイルランドでは昔からサイドディッシュとして使われ、ソーセージや肉などと一緒にお皿に盛られているようです。イタリアやブラジルなどではスープやシチューの具としてもよく使われています。また、アフリカなどでも親しまれているそうです。

今ガイドが住んでいるアメリカでも、ケールは南部地方で昔から食べられており、最近でもヘルシーでおしゃれな野菜として大変人気があります。一時的な流行かな……と思っていましたが、日常的に食べる野菜として定着した印象があります。今ではガイドの大好物です。

ケール

スーパーに並ぶ数種類のケール

ケールの魅力

生のままのケールを少しかじって、まずい……と言う人もいるようですが、それは当たり前です。ネギ・玉ねぎ・茄子などを、なにもせずにそのままかじってるようなものです。ケールは少し手を加えることで、美味しく頂ける野菜です。調理法によって、全く違う味を楽しめるのも特徴です。

ケールを刻んでドレッシングで和えてサラダにしたり、オーブンで焼けばパリパリ感が楽しめるケールチップを作れます。スムージーにすれば、キレイな緑色が楽します。昔ながらに、炒めて煮込めばなんだかホッとする味がします。ケールには種類がいくつかありますが、どのケールでも同じように調理できます。簡単なレシピを下記で紹介していますのでご覧下さい!

ケールの栄養

ケール100gに含まれる栄養素は以下の通りです。すごい数字が並んでいますね。体全体の健康、そして免疫力にとても大切な栄養素が豊富に含まれていることが分かります。

※栄養素情報は米国農務省のデータベースによるものです。

【49カロリー】
葉野菜ならではの特典。カロリーを気にする人も心配せずに楽しめます。

【食物繊維 3.6g】

食材の中でダントツレベル。食物繊維がとても高いことで知られているごぼう100gの食物繊維は5.7g。玄米100gでは食物繊維3g。比較するとその豊富さが分かります。便秘予防や腸の調子を整えるのに役立ちます。

【カルシウム 150mg】
牛乳100gにカルシウムが110mg含まれことを考えれると、ケールに含まれる量がすごいことが分かります。カルシウムは骨の強化などに役立ちます。

【鉄分 1.5mg】
鉄分がとくに多いことで知られているほうれん草100gの鉄分量は2mgなので、ケールの鉄分量は野菜の中ではトップクラスになります。鉄分は貧血、疲労などの改善に役立ちます。

ケール

ケールと芽キャベツのサラダ

【カリウム 491mg】
カリウムもまた、小松菜やほうれん草に匹敵するトップクラスです。カリウムは高血圧やむくみの予防に役立ちます。

【ビタミンC 120mg】

ビタミンCは野菜の中で最も含有量が多いブロッコリーと同等の量を含みます。レモン果汁よりも多くのビタミンCを含みます。ビタミンCは免疫や美容系の効果などもあると考えられています。

【葉酸 141μg】
葉酸の含有量はなじみのある野菜のなかで、群を抜いて堂々1位です。葉酸は貧血予防や免疫力を保ったり、多くの機能、特に細胞分裂が盛んな場所に欠かせない補酵素で、特に妊娠初期の重要さが知られています。

【βカロチン 5927mg】
βカロチンは目の健康をはじめ、粘膜や皮膚などの免疫や美容系の役割がある事が知られています。ケールに含まれるβカロチンは人参に匹敵する量です。

【ルテイン+ゼアキサンチン 8198μg】
ダメージを与える青色光から目を守る働きがあり、加齢に伴う白内障や黄斑変性症などの予防に関係することが示唆されています。ルテインが代謝されるとゼアキサンチンになります。ケールに含まれる量はダントツで、一般的に含有量が多いことで知られているほうれん草の2倍の量が含まれています。

【ビタミンK 704μg】
ビタミンKは骨の健康などに関与しており、骨粗鬆症予防にも役立つと考えられています。

注)カリウム制限・ビタミンKの摂取量管理などが必要な人は、かかりつけの医療者に相談の上、ケールの摂取量等を検討して下さい。

それでは、優れた栄養素を豊富に含むケールのレシピを紹介します。

レシピ:ケールのチップス

ケール

ケールのチップス

【材料】
  • ケール、適量
  • 塩、適量
  • オリーブオイル、又はごま油、適量
【作り方】
  1. ケールを洗ってペーパータオルなどで水分をふきとり、茎の太い部分を取り除いて食べやすい大きさにカットする。
  2. オーブンシートに(1)をのせ、塩とオイルで和える。重ならないようにケールを広げる。
  3. 180度のオーブンで15分ほど焼いて出来上がり。ケールの葉の厚さや、拭き取った水分の程度によって時間が前後することがあります。
 
パリパリしていて子供も大人気です。おつまみにも合います。あっという間になくなるはずです!

レシピ:ケールのサラダ

ケール

ケールの刻みサラダ

【材料】
  • ケール、茎の太い部分を取り除いて刻んだものをボール1杯
  •  塩1/6 程度、塩の種類によって調整
  • おろしチーズ、軽くひとつかみ分。パメルジャンチーズなど
  • オリーブオイル 大さじ2
  • レモン果汁 大さじ2
  • 粗挽き黒胡椒
  • お好みでにんにく1かけ、細かく刻んだもの
  • お好みでクルトン適量 (又はくるみ、アーモンドなど)
【作り方】
  1. クルトン以外の材料を全て混ぜ合わせる。すこし揉んで味をなじませ、しんなりさせる。最後にクルトンを加える。シャープな味のチーズを使うと、より一層おしゃれな大人の味になります。

レシピ:ケールのスムージー

スムージー

ケールのスムージー、これは豆乳を使いました。

【材料】
  • ケール、茎を取り除いて軽く刻んだもの。2つかみ分
  • バナナ 1本
  • 豆乳、または牛乳200ml程度
  • はちみつ 小さじ2程度
  • 氷 一つかみ分
【作り方】
  1. 全ての材料をミキサーにかけて出来上がり。子供も大人も大好きな優しい味です。

世界中で長く親しまれている野菜が日本に定着する日は間近かもしれません!

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