子どもの肥満や、肥満からくる生活習慣病などが問題になっています。もちろん食事の内容や運動不足が原因ですが、同じ量の食事でも、「早食い」をすることで肥満を招きやすくなるのです。「早食い」は子どもの頃からの習慣で、大人になってからではなかなか改めにくいもの。大切な子どもたちが、将来にわたって健康でいられるためにも、今から子どもたちには、きちんとした食習慣を指導しておきたいものです。

20年前の子どもと比べて肥満の子どもは1.5倍

カレーライス
子どもの大好きなカレーライスも、ついついよく噛まずに食べてしまいがちです。
文部科学省の学校保健統計調査によると、「肥満傾向」にある児童・生徒の割合は年々増加傾向になっています。昭和59年と平成17年を比較すると、小学校1年生から中学3年生まで、約20年あまりの間に約1.5倍増えています。

厚生労働省は、子どもの肥満が増加傾向にある点を重視して、2006年から子どもの肥満予防対策として、生活習慣の実態把握と、その改善に取り組んでいます。これは単純に現在肥満の子どもの数を減らすためだけではなく、肥満の子どもの多くが成長して生活習慣病になりやすく、将来の病気予防と医療費増加を抑制することにもつながるのです。

子どもの肥満は、3歳頃の生活習慣の乱れが原因という研究報もあり、乳幼児からの規則正しい生活習慣重要だと言われています。

早食いの子どもは、肥満になりやすい

長寿の国として知られる沖縄。けれども近年は食事から伝統食が消えつつあり、特に子どもの肥満が増えていることが懸念されています。那覇市医師会が2001年12月に実施した小児生活習慣病予防健診では、肥満度が高い市内の小学校四年生89人のうち、高血圧8人(9%)、高インスリン血症3人(3・4%)を数え、高中性脂肪の児童は約6%に上り、中には脂肪肝や糖尿病を患っている児童もいた、というのです。(沖縄タイムス)

こうした状況にある沖縄県の小学5年生を対象に、(財)ライオン歯科衛生研究所は、「早食い」と「肥満」について調査し、相関性があることを明らかにしました。調査では、小学5年生256名(男子137名、女子119名)について、身長・体重の測定、食生活に関するアンケートを実施し、分析しました(肥満に関する指標は、ローレル指数を用いました)。その結果、以下の3点がわかっています。
  1. 「早食い」の子どもほど、肥満度が高い
  2. 「一口の量が多い」子どもほど、肥満度が高い
  3. 「おやつの回数」や「夜食」と、肥満度には有意な関連性は認められない

同じ量を食べても、早食いすることが肥満を促す

食事をすると血糖値があがり、脳の満腹中枢には「おなかがふくれてきた」」という信号が伝わります。この信号が伝わるには15~20分ほどかかるといわれ、よく噛まずに飲み込んでいると、信号が伝わるまでにいっぱい食べ過ぎてしまうので太る、とこれまで言われてきました。

ところが同じ量を食べても「早食い」をするだけで肥満を招きやすくなることも、名古屋大グループの調査で明らかになっています。早食いは、エネルギーの取り込みを促進するインスリンが過剰に分泌される可能性があるのではないかと考えられますが、早食いそのものが肥満を招く理由はまだよくわかっていません。

*ローレル指数
身長と体重から算出=kg/cm3×107

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