Q. 「牛乳を飲むと脳卒中リスクが上がって危険」って本当ですか?

Q. 「毎朝牛乳を飲んでいるのですが、『牛乳を飲むと脳卒中リスクが上がって危険』と聞きました。実際のところはどうなのでしょうか? 牛乳はカルシウムなどの栄養も豊富で、健康にいい飲み物だという話もよく聞くので、正直何を信じればいいか混乱しています」
A. 脳卒中リスクとの関連は研究で示唆されていますが、心疾患リスクは逆に下がる可能性も。正しく理解して選びましょう
「牛乳は体にいい」というイメージを持つ方は多いと思います。古くから言われている通り、牛乳にはさまざまな健康効果があることは事実です。一方で、最近の研究によると、牛乳の種類によっては健康に悪い影響が出る可能性もあることが明らかになってきました。牛乳の脂肪含有量によっては、心臓と脳への影響が逆方向に出る可能性があるという、少し複雑な結果が報告されています。
中国・重慶医科大学附属第一医院の研究チームは、アメリカ国民健康栄養調査(NHANES)の2003年から2018年までのデータを用い、18歳以上の成人1万8282人を対象に解析を行いました。対象者は日常的に飲む牛乳の種類(全脂肪・減脂肪・低脂肪・無脂肪)によって4つのグループに分類され、心疾患(心筋梗塞、狭心症など)や脳卒中との関連が調べられました。なお、この研究は「観察研究」であり、因果関係を直接示すものではない点には注意が必要です。
解析の結果、全脂肪牛乳(乳脂肪分3.5%程度)を飲んでいた人は、無脂肪牛乳を飲んでいた人と比べて、心疾患(冠動脈疾患)を持つ確率が42%低いことが示されました。一方で、脳卒中を経験した割合は58%高いという、一見矛盾するような結果も同時に明らかになりました。つまり「脂肪の多い牛乳は体に悪い」「脂肪の少ない牛乳は体によい」という単純な図式は成り立たないのです。
この結果を踏まえると、牛乳の選び方は「脂肪の量だけ」で判断するのではなく、自分自身の体質・既往歴・生活習慣全体を考慮することが大切だと分かります。例えば、もともと脳卒中リスクが高い方や、高血圧・動脈硬化の既往がある方は、全脂肪牛乳の摂取量に注意する必要があるかもしれません。一方で、心疾患リスクへの配慮が必要な方には、また異なる判断が求められます。
- 牛乳の種類(全脂肪・低脂肪・無脂肪)によって、心臓と脳への影響が異なる可能性がある
- 全脂肪牛乳は心疾患リスクを下げる一方、脳卒中リスクを高める可能性が研究で示唆されている
- 自身の体質・既往歴・かかりつけ医の指導をもとに、飲む牛乳の種類を選ぶことが重要
- 牛乳はタンパク質・カルシウム・ビタミンなど豊富な栄養源であり、過剰摂取を避けつつバランスよく取ることが基本
牛乳は子どもにも大人にも愛されている身近な栄養源です。しかし「健康にいいから」と大量に飲めばいいというものでもありません。どれほど優れた食品でも、過剰摂取は問題になりえます。自分の健康状態に合った種類と量を意識しながら、食事全体のバランスを大切にすることが、長期的な健康につながるでしょう。心配な方はかかりつけの医師や栄養士に相談することをおすすめします。
さらに詳しく知りたい方は、「牛乳は体に悪い? 脂肪分が脳卒中リスクと関係も……牛乳の種類による違い・選び方」をあわせてご覧ください。







