節税対策/法人税の節税対策

資金不要の節税(2ページ目)

節税にもいろいろな種類がありますが、今回取り上げるのは「資金不要の節税」です。資金を使わずに、上手に節税する方法をお教えします。

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド

目に見えない無形資産にも注意

「資金の要らない永久節税」の2つめは、固定資産除却損です。

みなさんの会社では、固定資産台帳を毎年チェックしていますか? 特に製造業などでは固定資産の数が多く、すでに処分して現場にはない固定資産がまだ台帳には残っているということが多々あります。

少なくとも決算のときには必ず、固定資産台帳を片手に現場を回って、実物を確認するようにして下さい。除却損で思わぬ節税ができるかもしれません。特に、本社や工場を移転したときなどは要注意です。

ただし、この固定資産の現物チェックで注意しなければならないことがあります。それは、目に見えない資産の確認です。典型的なのは、ソフトウェア。使っているかどうかは担当者に聞かないとわかりませんから、これらの無形資産もしっかり確認するようにして下さい。

同じようなものに、事務所の権利金があります。権利金(20万円以上の場合)は一括で経費計上することができませんので、長期前払費用などの科目で資産計上されています。上記の例のように、償却途中で引っ越しした場合などには、この権利金は他の固定資産と同様に除却しなければなりません。

中古資産は必ず耐用年数の特例を使う

減価償却を増やしたいとき、固定資産の耐用年数に注目してみましょう

減価償却額を増やしたいときは、固定資産の耐用年数に注目してみましょう

固定資産関係でもう1つ見落としがちなのは、耐用年数です。それぞれの固定資産ごとに正しい耐用年数で減価償却計算するのはもちろんですが、中古資産の場合には耐用年数を短縮し、減価償却額を増やすことができる特例がありますので、積極的に活用しましょう。具体的には、以下のような計算になります。

  1. 法定耐用年数の全部が経過しているもの
    法定耐用年数×0.2
  2. 法定耐用年数の一部が経過しているもの
    (法定耐用年数×経過年数)+経過年数×0.2
※計算した年数が2年に満たない場合は2年(1年未満端数切捨)

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