ワード(Word)の使い方/レイアウト

ワードのページスタイルを設定しよう(3ページ目)

ワードの「スタイル」は、とても重要な概念です。本記事では、その中でも文書全体のスタイルを決める上でとても重要な「ページのスタイル」について詳しく解説します。

井上 健語

執筆者:井上 健語

ワード(Word)の使い方ガイド

コラム:文字数を設定するのは難しい?

先に「文字数と行数を設定する」と書きましたが、じつはWordで文字数(1行の文字数)を正確に設定することは、それほど簡単ではありません。

その理由は、Wordの生い立ちを考えると見えてきます。Wordは英語圏で生まれたワープロですが、英語には「行数」という考え方はありますが「文字数」という考え方はあまりなじみがありません。たとえば、次はニューヨークタイムズのWebサイトですが、英文記事の末尾に注目してください。

http://www.nytimes.com/

どの文章も単語で終了し、単語が行と行で分割されていません。また、そのために行末がバラバラで不揃いになっていることも分かります。つまり、英語では文章の最小単位は"単語"であって"文字"ではないのです。

また、英語の一般的な文章には、文字によって幅の異なる「プロポーショナルフォント」が使用されることが多いようです。このため、1行に入る文字数を決めることはあまり意味がありませんし、現実問題として決めることはできません。

しかし日本語は違います。原稿用紙の文化といいましょうか、1文字1文字をマス目に埋めていくという慣習が強いため、文章を書くときは「まずは、行数と文字数を決めよう」という発想になってしまいます。

ところが、Wordで使用されている「MS P明朝」「MS Pゴシック」などの日本語用のフォントは、文字によって幅が異なるプロポーショナルフォントです。したがって、英語の場合と同様に、行数を指定することはできますが、文字数を決めることはあまり意味がありませんし、現実問題としてできないということになるのです。

以上から、文字数を正確に設定するためには、「P」の付いていない「MS明朝」や「MSゴシック」など、すべての文字の幅が一定である「等幅フォント」または「固定ピッチフォント」と呼ばれるフォントを使用する必要があります。さらに、日本語と英語のあいだにある空白をせまくする機能など、いくつかの自動調整機能も無効にする必要があります。

文字サイズは同じだが、MS PゴシックとMSゴシックではこれくらい長さに違いが生じる
文字サイズは同じですが、MS PゴシックとMSゴシックではこのように文章の長さに違いが生じます。


このように、Wordを使っていると「あれ?」と思うことがときどきあります。そんなときは、Wordが生まれ育った背景・文化を想像してみてはどうでしょうか? すると、「ああ、なるほど」と納得できることも少なくありません。
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