マーケティング分析のプロセス

マーケティング分析では、まず目的を明確化させることが重要になる
続いてはマーケティング分析のプロセスを見ていくことにしましょう。『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント』(ピアソン・エデュケーション社刊)では、マーケティング分析を実施するプロセスを次の6段階に分類しています。まず、「問題と調査目的の明確化」に始まり、「調査計画の作成」「情報の収集」「情報の分析」を経て、「調査結果を提出」し最終的に責任者の「意思決定」に繋げるステップです。

1.問題と調査目的の明確化
マーケティングにおいて、その調査対象は非常に広範囲にわたります。効率的に調査・分析を行うためには、どのような問題を解決するために調査および分析を実施するのか、その目的を明確化させることは必要不可欠です。

たとえば、売上が上がらないという問題に対しても、より具体的にどのような商品がどの地域で売上を落としているというように、さらに問題が明確化できればマーケティング調査の効率も飛躍的に高まることになります。

2.調査計画の作成
調査目的が明確になれば、次に目的を達成するための計画作成のプロセスに移ります。マーケティング調査は無料でできるものから多額のコストが必要なもの、短期間で終わるものから長期間かかるものなど実に様々。自社の置かれた状況に合わせて、最適な方法を組み合わせて効率的に目的を達成できる計画を立てましょう。

たとえば、マーケティング上の問題が急を要し、業績に大きな影響を与える場合は、短期間で意思決定を行う必要があります。そのため、たとえ多額の予算がかかっても調査・分析を外部の専門機関に任せて、早急に意思決定に必要な情報を整備する計画を立てる場合もあるでしょう。問題が軽微で急ぐ必要がなければ内部の不要不急の経営資源を活用して、じっくりと長期間かけて調査・分析するという計画を立てることもできます。

3.情報の収集
調査計画が決まれば、次は実際に情報を収集するプロセスに移ります。現状、社会では情報化が著しく進展し、誰でも無数の情報を入手することが可能となりました。調査担当者は、その無数の情報の中から必要とする情報をピンポイントで収集していくことが効率的なマーケティング調査の重要な鍵を握ります。

情報には調査担当者自身が目的を達成するためにアンケート調査やグループインタビュー、電話調査などを行って独自に欲しい情報を収集する1次データと、政府や専門調査機関が既に調査したデータを活用する2次データがあります。

1次データは担当者が必要とする情報をピンポイントで得られるメリットがありますが、収集するためにコストや時間がかかるというデメリットもあります。一方で、2次データはすぐに入手できて情報によっては無料のものもあるなど、コスト面でもメリットがありますが、企業独自の調査目的で収集されたデータではないために、調査目的には必ずしも合致しないというデメリットもあります。

これら1次データと2次データのメリットとデメリットを十分に把握した上で、最も効率的に調査・分析が実施できる情報の収集を心掛けなければいけません。

4.情報の分析
適切な情報収集が終われば、続いて収集した情報の分析プロセスに移ります。この情報分析の段階では、収集した情報を統計学的手法を用いて正確に分析し、問題点の特定や改善方法の発見に努めていくことになります。

たとえば、特定商品がある地域で売れない場合、その原因は価格にあるのか、品質にあるのか、認知度の低さにあるのか、流通網にあるのかなど、収集した情報から原因を明確に特定して、最終的な意思決定に役立てていくのです。

ここで分析の際に、初めから結果を予測した上で辻褄合せの情報収集および、分析を行うと失敗に繋がる可能性も高くなるので注意が必要です。全く白紙の状態でデータを収集・分析し、真の傾向を発見することが成功に繋がる一因となります。

5.調査結果の提出
情報の調査・分析が終了した段階で、調査担当者はまとめた結果を関係者全員に伝えなければいけません。報告書では客観的な事実をありのままに伝えることにより、調査担当者の主観的な情報にマネジャーが引きずられるという判断ミスを未然に防ぐことが可能になるでしょう。

6.意思決定
報告された調査結果をもとに、マネジャーは当初の目的を果たすべく意思決定を行い、マーケティング戦略を検討した上で、業務を各担当者に割り振っていきます。

以上のように、マーケティング分析のプロセスでは6つの段階を経て、自社を取り巻く環境を正確に把握して適切な意思決定を行うことになります。一度の調査・分析で望む結果を得られない場合は、分析プロセスを振り返って常に改善を繰り返す作業が必要不可欠になります。改善を繰り返して行けば、いずれどんな環境においても堅実な業績を実現するマーケティング戦略を構築することが可能になるでしょう。

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